目時駅のストーブ点火し14年 川上さん(三戸)に感謝の花贈呈

西野想千君(右)から花を受け取り、笑顔を見せる川上弘志さん
西野想千君(右)から花を受け取り、笑顔を見せる川上弘志さん
三戸町にある青い森鉄道目時駅の待合室を、冬の登校時間に合わせて暖めてきた男性がいる。同町目時中道の川上弘志さん(85)は2007年から「駅サポーター」として無人駅である同駅の管理を委託され、冬の平日朝はストーブのスイッチを入れる業務を担って.....
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 三戸町にある青い森鉄道目時駅の待合室を、冬の登校時間に合わせて暖めてきた男性がいる。同町目時中道の川上弘志さん(85)は2007年から「駅サポーター」として無人駅である同駅の管理を委託され、冬の平日朝はストーブのスイッチを入れる業務を担ってきた。20年度で「駅サポーター」制度が終わり、ストーブも撤去されるため、14年間にわたった“任務”は3月で終了。「自分なりに頑張ってきて良かった」と笑顔を見せる。[br][br] 同駅は平日朝は電車を使う高校生のほか、駅前からスクールバスに乗る小中学生も待合室で時間を過ごすため、寒さの厳しい冬はストーブが子どもたちを暖めてきた。[br][br] 川上さんは70歳の時に建設業の仕事をやめて同駅の駅サポーターに就任し、清掃や設備管理などを担ってきた。同時期に新聞配達も始め、毎日午前4時ごろから新聞配達を行い、平日は同6時ごろ駅へ向かう生活を続けてきた。[br][br] 駅サポーターの業務について、「駅長の代わりだと思って自分なりにやってきた。遅刻ぎりぎりの子どもが駆け込んできたり、地域の人が遊びに来たりもしたな」と感慨にふける。[br][br] “最後の点火”となった3月26日には、三戸小の4年に進級する西野想千君(9)と母親の亜希さん(41)が待合室を訪れ、川上さんに造花を贈った。[br][br] 想千君は「冬は暖かい部屋でスクールバスを待つことができて助かった」、亜希さんは「長い間、子どものためにストーブをつけてくれた。誰でもできることではなく、お礼がしたかった」と話す。[br][br] 川上さんは「忘れられない思い出ができた。花は家に飾るよ」と目を潤ませつつ、満面の笑みを浮かべた。西野想千君(右)から花を受け取り、笑顔を見せる川上弘志さん