青森県は4日、県内で新たに10人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。八戸市では20~60代の女性計6人の感染が判明。2日に発表された陽性者2人の職場関係者で、県はこの8人が勤務する市内の教育保育施設でクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。現時点で検査対象者は百数十人で、うち職員ら約30人の検査は終了したが、10歳未満の利用者らの検査結果の全容は判明していない。今後のクラスターの動向に関し、市は「結果が分かっていない人が多く、多少広がりを見せる可能性があるとみている」との認識を示した。[br][br] 市によると、教育保育施設の利用者は約70人、職員ら関係者が約30人。ほかに、学童保育で十数人が利用している。施設は2日から閉鎖中で、14日まで休むという。今後、市保健所が現場の状況を調べる予定。[br][br] 市内のクラスター発生は6例目。県によると、感染が確認された8人のほか、3日に陽性が判明した青森市の10歳未満(性別非公表)もこの施設と関係があり、関連する他の陽性者も含めれば、クラスターの規模は現時点で10人に上る。[br][br] 新規感染の6人は3、4の両日に陽性が判明し、軽症4人、無症状2人。3月21日に症状が現れた人もいた。いずれも他地域への移動は確認されておらず、市は「感染経路は不明」としている。施設ではガイドラインに沿った感染防止策を講じていたという。今後、6人の同居人など接触者を精査し、検体を採取する。[br][br] 県や市は施設名を非公表とした理由について、「利用者や職員が分かっており、不特定多数が利用する施設ではない」と説明した。[br][br] 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「子どもが感染した場合、その家族が感染しやすい状況になることが今までもあった。利用者の子どもにどれだけ広がるかがポイントになる」との見方を示した。[br][br] 4日は八戸市のほか、上十三、三戸地方、青森市、五所川原の各保健所管内でも各1人の感染が確認された。全員が軽症か無症状。県内の感染者数は累計1080人となった。[br][br] 上十三の50代女性は、既に感染が公表されている同管内の70代女性の知人。三戸地方の40代男性と五所川原の40代男性は、県が感染経路の確認を進めている。[br][br] 大規模クラスターが発生した青森市の障害者施設では、新たに50代男性の感染が判明。規模は関連を含め計86人となった。