東京商工リサーチ青森支店は2日、青森県内の2020年度の倒産状況を発表した。負債総額1千万円以上の倒産は34件(前年比38件減)で、1972年の集計開始以来、最少を記録。負債総額は50億300万円(76億200万円減)と過去10年で最も低かった。同支店は「新型コロナウイルスに対応する支援策が次々打ち出され、倒産が抑制された」とした上で、「収束のめどはたっておらず、個人消費に左右される小売業やサービス業で倒産が急増する可能性がある」と懸念を示した。[br][br] 10億円を超える大型倒産は、青森市のホテル業「国際ホテル」の約16億円の1件で、5千万円以下の小規模倒産が半数を占めたため負債総額が抑えられた。[br][br] 新型コロナが原因の倒産は計13件。宴会や宿泊のキャンセルで売り上げが急落した国際ホテルのほか、冠婚葬祭業者からの受注が落ち込み事業継続を断念した十和田市の仕出し・弁当業「はせがわ仕出し店」など。[br][br] 倒産を産業別で見ると、サービス業が12件(1件減)と最多。新型コロナが飲食や宿泊など観光関連産業に大きな打撃を与えた状況が反映された。製造業6件(3件減)、卸売業6件(6件減)と続いた。[br][br] 原因別では、販売不振が28件(4件減)と8割以上を占める。赤字累積3件(13件減)、他社倒産の余波2件(1件減)だった。[br][br] 地域別では青森市が最も多い10件(11件減)。県南では八戸市7件(7件減)、上北郡3件(2件増)、十和田市2件(増減なし)、三沢市2件(1件増)。[br][br] 2日は3月の倒産状況も公表。倒産件数は5件(5件減)、負債総額は7億100万円(22億6千万円減)と低水準が続いてる。