時評(4月2日)

北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受け、国連安全保障理事会は非公式会合を開いた。だが、安保理として一致した対応を取ることはできなかった。中国とロシアが北朝鮮擁護の姿勢を示したためだ。 北朝鮮の弾道ミサイル発射は1年ぶりで、バイデン米政権下.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受け、国連安全保障理事会は非公式会合を開いた。だが、安保理として一致した対応を取ることはできなかった。中国とロシアが北朝鮮擁護の姿勢を示したためだ。[br][br] 北朝鮮の弾道ミサイル発射は1年ぶりで、バイデン米政権下では初めてだが、北朝鮮について全ての弾道ミサイル発射を禁じた安保理決議に違反するものだ。[br][br] 安保理の会合は英仏などが要請し、弾道ミサイル発射は安保理決議違反だとして見過ごさない姿勢を示す狙いだったが、北朝鮮を巡る安保理メンバー間での分裂があらわになった。極めて残念で、国際社会は一致した対応をとるべきだ。[br][br] 北朝鮮は弾道ミサイル発射前にも短距離巡航ミサイルを発射しており、バイデン政権の出方を注意深くうかがいながら、挑発を強めているようだ。今後、核・ミサイル開発をさらに進め、米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や核実験を行う可能性もあるだろう。[br][br] しかし北朝鮮は、北東アジアの緊張を高める挑発に展望がないことを分かるべきだ。非核化してこそ、苦境にある経済を救えるのだ。[br][br] トランプ前米大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と米朝首脳会談を重ねたが、北朝鮮の非核化を進展させることはできなかった。[br][br] バイデン政権は、対北朝鮮政策の見直し作業を進めており、間もなく発表する予定だ。[br][br] バイデン大統領は会見で、北朝鮮と外交交渉を行う準備があると述べつつ「非核化を最終目標にしたものでなければならない」と前提条件を付けた。 バイデン政権は、北朝鮮が望む米朝首脳会談ではなく、高官レベルの協議で北朝鮮の核廃棄を迫っていくとみられる。だが北朝鮮は、2月中旬からの接触の試みに応じなかった。[br][br] トランプ前政権と異なり、バイデン政権は同盟を重視した対応をするだろう。北朝鮮に対抗していくには、日本、韓国との3カ国による協調が重要だ。[br][br] 北朝鮮には今回の発射で日米韓の連携再構築をけん制する狙いがあった。米中対立が激化する中、北朝鮮は中国との共闘姿勢も打ち出している。[br][br] 北朝鮮が中国との関係を強めていく中で、日米韓3カ国の協調が試されている。元徴用工などの歴史問題でぎくしゃくしている日韓関係は改善する必要がある。日米韓の安全保障担当者は協調して深い論議をし、有効な対応策を示してほしい。