【ミャンマー政変2カ月】「失敗国家」の懸念広がる

 31日、ミャンマー・ヤンゴンで、治安部隊の弾圧から逃れようと通りを走る、国軍への抗議デモの参加者(AP=共同)
 31日、ミャンマー・ヤンゴンで、治安部隊の弾圧から逃れようと通りを走る、国軍への抗議デモの参加者(AP=共同)
【ヤンゴン、バンコク共同】ミャンマーのクーデターから4月1日で2カ月。国軍の弾圧による死者は500人を超え、職務を放棄する「不服従運動」により経済はまひしたままだ。少数民族武装勢力の動きも激しく、政府が機能しない「失敗国家」に陥るとの懸念も.....
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 【ヤンゴン、バンコク共同】ミャンマーのクーデターから4月1日で2カ月。国軍の弾圧による死者は500人を超え、職務を放棄する「不服従運動」により経済はまひしたままだ。少数民族武装勢力の動きも激しく、政府が機能しない「失敗国家」に陥るとの懸念も広がる。4月中旬はミャンマーの正月に当たり、平穏な祝賀は国軍の重要課題であることから、弾圧の軟化は期待できないとの見方が強い。[br][br] 114人が殺害された国軍記念日の3月27日夜、国営メディアは祝宴の様子を報じた。ミン・アウン・フライン総司令官は白い制服にちょうネクタイ姿で、にこやかに賓客を迎えた。外交筋は「国際社会の目、国民の心情をつゆほども気にしていない」と語った。[br][br] 国軍による弾圧は激烈で、人権団体「政治犯支援協会」によると、30日時点で犠牲者は521人に上っている。[br][br] 一方、少数民族武装勢力はクーデターを非難して国軍との対決姿勢を強めており、南東部カイン(カレン)州や北部カチン州で戦闘が頻発。西部ラカイン州の仏教徒を中心としたアラカン軍は、国軍と停戦を続けていたが、30日の声明で民主勢力に加勢し戦闘を再開すると警告した。[br][br] ミャンマーは2011年の民政移管以降、経済成長が続いていた。だが治安悪化に加え、不服従運動で経済は大打撃を受けている。危機感を募らせる国軍は銀行に対し、事業再開が1週間遅れるたびに最大2万ドル(約220万円)の罰金を科すと通達。運動に参加する行員のリストの提出を迫っている。[br][br] 統治が順調でないことは明らかだ。元国軍高官で実業家に転じた50代男性は「クーデターから2カ月たってもビジネスができない。将来は全く見通せない」と述べ、ミャンマーが失敗国家に近づいていると指摘した。 31日、ミャンマー・ヤンゴンで、治安部隊の弾圧から逃れようと通りを走る、国軍への抗議デモの参加者(AP=共同)