【コロナ県内初確認1年】デジタル対応の働き方模索 テレワークは進まず

新型コロナの全国的な感染拡大を受け、デジタル化を推進している企業も。田名部組ではオンラインでの電子契約も始めた=26日、八戸市
新型コロナの全国的な感染拡大を受け、デジタル化を推進している企業も。田名部組ではオンラインでの電子契約も始めた=26日、八戸市
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、首都圏を中心に在宅勤務をはじめとしたテレワークが広まるなど企業での働き方は急速に変わった。初の感染者が確認されてから1年が経過した青森県内では、産業構造などからテレワークの浸透はいまひとつだが、オンライン.....
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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、首都圏を中心に在宅勤務をはじめとしたテレワークが広まるなど企業での働き方は急速に変わった。初の感染者が確認されてから1年が経過した青森県内では、産業構造などからテレワークの浸透はいまひとつだが、オンライン会議を積極的に導入したり、書類のデジタル化を推進したりと、新たな働き方を模索する動きもある。働き方改革やデジタル化の遅れは企業の競争力低下にもつながるため、有識者は“コロナ後”を見据え、「中小企業も長期的な視点で設備投資や準備を進めていくべきだ」と提言する。[br][br] 青い森信用金庫が昨年9月に県内の中小企業1019社を対象にしたアンケート(回答率94・2%)では、テレワークを「実施した・実施予定」とする企業の割合は6・2%と1割未満。全国平均の16・6%や東北6県の11・1%を大きく下回る。[br][br] 県内では農業や建設業などテレワークには適さない業種が多いことや、家族経営などで従業員が少ない企業が比較的多いことなどが背景にある。青い森信金地域経済研究所の馬場哲也上席コーディネーターは「県内の中小企業はテレワーク導入の必要性を感じていないところも多いのでは」と分析する。[br][br] 一方、コロナ禍を契機に新しい働き方を導入する動きもある。八戸市の総合建設業「田名部組」(田名部智之社長)は、安全衛生会議など多くの会議をオンラインに切り替えた。新型コロナ前は社長以下、内勤者や現場責任者が社内に一堂に集まっていたが、パソコンやタブレット端末などを使って会議に参加する方法に変更。開催時間の前倒しも可能になり、労働時間の短縮にもつながっている。[br][br] デジタル対応ではシステムエンジニアを新たに採用し、電子契約書を試験的に導入。押印など紙でのやりとりをなくしてオンライン処理することで仕事の効率がアップし、経費削減効果も大きいという。[br][br] 同社の下河原郷総務財務部長は「いい意味で業務の無駄がなくなった」と強調。社員のデジタルに対する知識も向上したといい、「今後もできるだけデジタル化を推進していきたい」と語る。[br][br] 今回のコロナ禍で進んだ働き方改革やデジタル化は、50年後、100年後に振り返った際、大きな歴史の転換点だったと認識される可能性が高い。[br][br] 馬場上席コーディネーターは、働き方改革やデジタル化の遅れは企業の競争力低下にもつながる―と指摘した上で、「新型コロナの終息を見据え、さまざま準備をしていく必要がある。われわれも多方面で中小企業のサポートをしていく」と強調する。新型コロナの全国的な感染拡大を受け、デジタル化を推進している企業も。田名部組ではオンラインでの電子契約も始めた=26日、八戸市