【コロナ県内初確認1年】保育施設、運営継続へ重ねた工夫

保育士が見守る中、検温する園児=23日、八戸市の幼保連携型認定こども園みどりのかぜエデュカーレ
保育士が見守る中、検温する園児=23日、八戸市の幼保連携型認定こども園みどりのかぜエデュカーレ
昨年3月に青森県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、外出自粛や学校の休業措置などが相次ぐ中、県内の多くの保育施設は休園することなく運営を続けてきた。保育士らは行事の縮小や子どもたちへの感染対策指導など、これまで経験したこと.....
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 昨年3月に青森県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、外出自粛や学校の休業措置などが相次ぐ中、県内の多くの保育施設は休園することなく運営を続けてきた。保育士らは行事の縮小や子どもたちへの感染対策指導など、これまで経験したことのない対応に追われた。検温の徹底、フェースシールド越しのコミュニケーション、保護者へのDVD作成…。子どもたちの健やかな成長、そして保護者らが安心して子どもを預けられる環境づくりのため、日々、工夫を重ねながら保育に取り組んでいる。[br][br] 23日、八戸市西白山台4丁目の幼保連携型認定こども園「みどりのかぜエデュカーレ」では、散歩から帰ってきた後に検温装置の前に立って体温チェックをする園児の姿があった。手洗いやうがい、手指消毒をしっかり行い、園内ではマスクを着けて遊ぶなど、園児らは新たな日常に順応しながら伸び伸びと過ごしていた。[br][br] 保育施設を利用する保護者の中には、医療や介護従事者、スーパーの従業員ら住民の日常生活を支えるエッセンシャルワーカーも多く、保育の場が止まると社会への影響は大きい。[br][br] 同園では、保護者が安心して預けられる体制づくりに向けて、独自の対策本部を立ち上げ、マニュアルを作成。保護者には通園前の検温を促す通知をしたほか、可能なときはできる範囲で家庭内保育を依頼するなど協力を呼び掛けた。[br][br] 園内では、3歳児以上にはマスクを着用してもらい、表情によるコミュニケーションが必要な0~2歳児は保育士がフェースシールドを使って対応するなど最大限の感染対策を講じた。[br][br] 一方、園児や保護者が楽しみにしている行事は感染予防の観点からどうしても縮小せざるを得なかった。幼児期は生活習慣や社会性を身に付ける重要な時期で、田頭初美園長は「人との関わりを制限しなければならず、園児の心身面の発達が心配だ」と懸念する。[br][br] そこで、給食の時間は十分なスペースを確保した上で、みんなで食卓を囲めるように工夫。お遊戯会や運動会は保護者の入場を制限する代わりにDVDを作成して配布するなど、コロナ禍であっても園児や保護者が窮屈な思いをしないよう知恵を絞った。[br][br] また、同園では突然の小中学校の休業で戸惑った保育士もいたため、子どもを連れて出勤できるように配慮。子どもたちには園の仕事を手伝ってもらうなど臨機応変に対応した。[br][br] 地元企業から感染防止グッズをもらったり、他の保育施設と情報交換したりと、改めて社会のつながりのありがたみを実感したという田頭園長。「大人たちがぴりぴりしている時も新たな日常に順応し、たくましく成長する園児の姿が励み。どういう状況でも、しっかりと生きていくすべを学べる場でありたい」と使命感を強くしている。 保育士が見守る中、検温する園児=23日、八戸市の幼保連携型認定こども園みどりのかぜエデュカーレ