【津波想定浸水見直し】「心配」「備え強化」 最大26メートルの八戸市民

最大26・1メートルの津波が想定された八戸市=26日
最大26・1メートルの津波が想定された八戸市=26日
青森県が26日に公表した日本海溝・千島海溝沿いなどを震源とする地震の浸水予測で、県内で最も高い最大26・1メートルの津波が想定された八戸市では、臨海部への影響ばかりでなく、浸水区域が内陸部で拡大し、馬淵川流域の尻内地区まで及ぶことが予想され.....
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 青森県が26日に公表した日本海溝・千島海溝沿いなどを震源とする地震の浸水予測で、県内で最も高い最大26・1メートルの津波が想定された八戸市では、臨海部への影響ばかりでなく、浸水区域が内陸部で拡大し、馬淵川流域の尻内地区まで及ぶことが予想された。市民からは「すぐ逃げられるか心配」「有事への備えを強化する」などの声が聞かれた。[br][br] 東日本大震災の津波で被害を受けた同市鮫町の蕪島地区。蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」の運営会社の杉本健一代表は「当時の震災よりも大きい津波が想定されているのは不安だが、新たなハザードマップを基に、日ごろから訓練して備えたい」と強調。万一の際には来店客を高台へ避難させる考えを示した。[br][br] 市内の浸水区域で最も内陸に位置する尻内地区では、馬淵川を逆流して津波が押し寄せることが想定された。上長公民館の奥寺健二館長は「海から離れているので大丈夫だと思っている人が多いと思う」と驚きの表情。一方で「こうした予測が上長地区の住民の気を引き締める機会になれば」と地域一体で対策に取り組む必要性を訴えた。[br][br] 市中心街に近い、内丸1丁目の本八戸駅でも5メートル前後の津波が見込まれた。同駅では津波の注意報や警報が出た場合、駅利用客を高台にある三八城公園に誘導することが事前に決められているという。鈴木卓哉駅長は「実際に大震災が起きれば、従業員も動揺してしまうと思う」としつつも、「お客さまの安全が第一。日ごろの訓練を繰り返していくことが、有事の際の対応強化につながる」と強調した。[br][br] 馬淵川沿いの下長地区では、従来の想定より浸水深が増し、一部で10メートル近い数値となった。石堂2丁目の60代女性は「すぐに逃げられるかが心配」と不安げ。「家族で避難ルートなどを話し合うことにする」と話した。本八戸駅周辺に住む、城下2丁目の70代女性は「土地が平たんだから危ないとは思っていた。避難場所などは事前に確認しているが、いつ地震が起こってもいいように万全を期したい」と警戒感を高めた。最大26・1メートルの津波が想定された八戸市=26日