青森県は26日、東北から北海道の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いを震源とする地震などを想定して見直した、津波の浸水予測図を公表した。海岸線の最大津波高は、八戸市で26・1メートル、おいらせ町で24・0メートルなどと想定。浸水域は各地で大幅に広がった。これを受け県が被害想定の見直しを図るほか、各市町村もハザードマップや避難計画の修正などを行う。[br][br] 昨年4月に国が日本海溝・千島海溝沿いを震源とした地震の影響を公表したのを踏まえ、県は津波想定高や津波の浸水域などについてシミュレーションをやり直していた。[br][br] 2012~15年にかけてまとめた、県の浸水予測図の大幅な改訂は今回が初めて。19の地震をモデルに24の数値計算を独自に行い、海岸線の最大津波高や津波の到達時間などを算出、最新の地形データなどを用いて浸水予測図を作成した。[br][br] 県内の市町村ごとの最大津波高は、太平洋側では、八戸市26・1メートル、おいらせ町24・0メートル、階上町21・5メートル、三沢市17・1メートルなど。陸奥湾内でも、むつ市5・4メートル、横浜町5・1メートルなどとした。国が公表済みの想定との比較では、三沢、むつ、おいらせ、大間、六ケ所、東通、風間浦など13市町村で上昇がみられた。[br][br] 一方、浸水予測では、各地で浸水域が広がる結果となった。八戸市では臨海部のほか、馬淵川流域の尻内地区なども浸水すると見込まれ、風間浦村や六ケ所村では、役場庁舎が浸水するとした。[br][br] 新たな予測をまとめた、県海岸津波対策検討会座長の佐々木幹夫八戸工業大名誉教授は「今回の予測を基に到達する津波の高さなどを受け止め、それ以上高い場所に避難するなどの対応をとってほしい」と強調した。[br][br] 津波浸水予測図は、県のホームページでも確認できる。