「鉄オタ」インドネシアで急増 日本からの車両輸出に比例

 JR武蔵野線で活躍した205系車両を撮影するインドネシアの鉄道ファンら=2020年12月、ジャカルタ(共同)
 JR武蔵野線で活躍した205系車両を撮影するインドネシアの鉄道ファンら=2020年12月、ジャカルタ(共同)
インドネシアで、駅や沿線上で電車の写真を撮影したり、鉄道の細かい知識を仲間と交換したりする鉄道ファンが、若い世代を中心に急増している。日本から譲渡された中古電車がジャカルタ首都圏で走り始めてからの現象で、インターネットを駆使して日本の最新情.....
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 インドネシアで、駅や沿線上で電車の写真を撮影したり、鉄道の細かい知識を仲間と交換したりする鉄道ファンが、若い世代を中心に急増している。日本から譲渡された中古電車がジャカルタ首都圏で走り始めてからの現象で、インターネットを駆使して日本の最新情報も入手。車両だけでなく日本の鉄道ファン文化も「輸出」した格好だ。[br][br] 「入るのは2番線だって。急げ急げ」。昨年12月上旬、ジャカルタ南部にあるマンガライ駅で鉄道ファンたちが走りだした。お目当ては首都圏のJR武蔵野線を走り、11月中旬に日本から到着した「205系」。インドネシア政府による車両の国産化推進方針で、2000年から続いた日本からの中古車両導入がいったん終了。その最終編成とあって、試運転がファンの注目を集めた。[br][br] 電車が駅構内に近づくと、約30人があちこちで一斉に写真や動画を撮影。ほとんどが10~20代の若者で、中には12歳の小学生もいた。[br][br] 職業高校3年生のディファさん(18)が鉄道ファンになったのは08年から。「(日本の車両が走る)インドネシア通勤鉄道(KCI)にできれば就職したい。日本の車両にはたくさんの思い出が詰まっている」と話す。[br][br] ディファさんが会員制交流サイト(SNS)でつながる500人超のうち、4分の1が日本人。ツイッターをチェックし、翻訳機能を使って日本の最新情報をほぼ同時に把握する。[br][br] 大学3年生のチアラさん(20)は女性ファンの一人。中学生の頃に友達から誘われたのがきっかけで、映像を撮影して動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開。乗るのも遠くから眺めるのも好きで「モーターの駆動音が好き」と、ぞっこんだ。[br][br] ジャカルタ在住の鉄道ライター高木聡さん(32)は「元々日本のアニメや漫画が受け入れられていた下地があった上に、日本で走っていた車両が来るというので人気が集まった」と分析する。[br][br] インドネシアでも市民にスマートフォンやSNSが普及し、ファンの情報共有が容易になった。「日本、台湾に次ぐ鉄道ファン大国になりつつある」と指摘する。撮影中心の「撮り鉄」が多いのも共通点だという。[br][br] JR東日本からKCIに品質管理アドバイザーとして出向する広橋武志さん(43)は「鉄道ファンの多さは、やりがいにつながる。計画的な車両整備や、時刻通りに電車が到着するといった日本の鉄道の長所を伝えたい」と話した。(ジャカルタ共同) JR武蔵野線で活躍した205系車両を撮影するインドネシアの鉄道ファンら=2020年12月、ジャカルタ(共同)