田子町教委、新たに文化財2件指定 不動明王立像と半鐘

田子町文化財に指定された「不動明王立像」(町教委提供)
田子町文化財に指定された「不動明王立像」(町教委提供)
田子町教委は25日までに、現在の同町出身で江戸時代中期の仏僧・奇峰(きほう)学秀(がくしゅう)が制作した「不動明王立像」と、町内の馬頭観世音菩薩(ぼさつ)堂で使われた「明和二年銘半鐘」を町文化財に指定した。現在はいずれも町民が所有、保管して.....
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 田子町教委は25日までに、現在の同町出身で江戸時代中期の仏僧・奇峰(きほう)学秀(がくしゅう)が制作した「不動明王立像」と、町内の馬頭観世音菩薩(ぼさつ)堂で使われた「明和二年銘半鐘」を町文化財に指定した。現在はいずれも町民が所有、保管している。2件の登録により、町指定文化財は60件となった。[br][br] 町教委によると、学秀は同町の釜渕家に生まれ、長興寺(九戸村)や糠塚大慈寺(八戸市)の住職を務めた。合戦や飢饉(ききん)の犠牲者らを供養するために多くの仏像を制作しており、同町ではこれまでに19体が文化財に指定されている。[br][br] 今回指定を受けた立像は、学秀が65歳ごろの享保7(1722)年前後に作ったと推定される。全長19センチの木製で、現在確認できる中では学秀唯一の不動明王像という。[br][br] 明和二年銘半鐘は、同町の清水頭「馬頭観世音菩薩堂」に明和2(1765)年、千葉与五兵衛直陽が懸架したもの。同菩薩堂の名は現在は使われていないが、町の文化財を研究している木村明彦さん(ごのへ郷土館館長)によると、同町田子清水頭にある清水頭蒼前神社を指しているという。大きさは高さ42センチ、直径26センチ。[br][br] 12日は町中央公民館で文化財指定書の交付式があり、立像を所有する釜渕嘉内さん(76)と半鐘を所有する千葉健一郎さん(67)に対し、宇藤裕夫教育長が文書を手渡した。[br][br] 両文化財は引き続き所有者が保管することになっており、宇藤教育長は「毎年の文化財防火デーで保管状況を確認しながら、重要な品を後世に残したい」と述べた。田子町文化財に指定された「不動明王立像」(町教委提供)