南海トラフ災害ごみ3億トン 東日本大震災の10倍

 南海トラフ巨大地震による災害ごみのブロック別推計発生量
 南海トラフ巨大地震による災害ごみのブロック別推計発生量
南海トラフ巨大地震が起きた際、建物のがれきなど災害ごみが37都府県で計約3億トン発生するとの推計を環境省がまとめたことが22日分かった。東日本大震災を受けて2014年に出した推計を見直した。建物耐震化の進展などで14年より減ったが、ほぼ処理.....
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 南海トラフ巨大地震が起きた際、建物のがれきなど災害ごみが37都府県で計約3億トン発生するとの推計を環境省がまとめたことが22日分かった。東日本大震災を受けて2014年に出した推計を見直した。建物耐震化の進展などで14年より減ったが、ほぼ処理を終えるのに3年かかった東日本大震災(約3千万トン)時の10倍。早期の復旧復興には処理の迅速化が欠かせず、環境省は対策の検討を急いでいる。[br][br] がれきや使えなくなった家財などの災害ごみは、地震の揺れのほか津波によっても生じる。推計では津波浸水域の内外をそれぞれ算出し、合計2億9919万4千トンと算出した。浸水域内外合わせた最多は愛知の5168万7千トンで、次いで静岡4092万1千トン、高知2860万1千トン。環境省が処理の地域的な枠組みとするブロック別では、中部(8034万8千トン)や四国(7226万9千トン)が多い。[br][br] 北海道と東北6県、栃木、新潟、富山の3県は浸水域の内外とも発生量ゼロと見込んでいる。[br][br] 推計に当たっては、内閣府の被害想定のうち、紀伊半島沖から四国沖で大津波が起き、近畿地方を中心に大きな被害が出るケースを採用した。14年推計での災害ごみ発生量は約3億4900万トンだった。耐震化の進展に加え、地域ごとの建物床面積などのデータを新たに使い、精度を上げたことで推計量が小さくなった。[br][br] 地震の際は大量のごみが一度に生じる上、廃棄物処理場も被災が見込まれるため、処理が円滑に進まない可能性が高い。環境省のシミュレーションでは、中部や四国で可燃物の処理が困難になることが判明。「両ブロックでは、仮設の焼却施設を優先的に設置する必要がある」とみる。[br][br] 被害の少ない地域に引き受けてもらう「広域処理」も不可欠として、他地域へ運ぶ量や方法を検討している。 南海トラフ巨大地震による災害ごみのブロック別推計発生量