【衆院任期満了まで7カ月】コロナと不祥事、政権翻弄 自民の結束にほころび

 自民党が敗北した菅政権下の主な地方選
 自民党が敗北した菅政権下の主な地方選
菅義偉首相(自民党総裁)は21日の党大会で衆院選を見据えて結束を呼び掛けた。ただ、政権は不祥事の続出や新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)され、地方選でも不振が目立つ。大会と同時に投票が進んだ千葉県知事選は、党幹部の離反もあって推薦候補が敗.....
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 菅義偉首相(自民党総裁)は21日の党大会で衆院選を見据えて結束を呼び掛けた。ただ、政権は不祥事の続出や新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)され、地方選でも不振が目立つ。大会と同時に投票が進んだ千葉県知事選は、党幹部の離反もあって推薦候補が敗北した。10月21日の衆院議員の任期満了まで残り7カ月。首相が誓う「一丸となった戦い」はほころびを見せる。[br][br] ▽裏腹[br] 「選挙の年だ。日本を次の世代に引き継ぐことができるのは自民党だ。先頭に立って戦い抜く」。東京都内のホテル。壇上の首相は衆院選に臨む覚悟をこう宣言した。[br][br] 勇ましい言葉とは裏腹に政権は手負いの状態だ。新型コロナ感染のリバウンド(再拡大)懸念を抱えたまま緊急事態宣言の全面解除を決断。鶏卵汚職事件や銀座クラブ問題で所属議員の離党が続き、首相の長男に端を発した接待問題は総務省幹部の大量処分に発展した。[br][br] 石破茂元幹事長は記者団に「率直に反省すべき点は反省することが必要だ」と苦言を呈したが、首相は不祥事に触れることなく会場を後にした。[br][br] ▽苦戦[br] 2年ぶりの開催となった党大会は国会議員らに出席者を絞った。地方組織と選挙対策などを話し合う全国幹事長会議もリモート開催。二階俊博幹事長は「本来であれば皆さんと直接顔を合わせて意見を交換したいところだが、現在の状況ではやむを得ない」とあいさつで釈明した。[br][br] 夜に開票された千葉県知事選では党推薦の元県議が敗退。序盤で地元選出の石井準一幹事長代理が、勝利した野党系の熊谷俊人前千葉市長の支援に回ったことが響いた。地元県議には「反党行為だ」との批判が渦巻く。同じ日の千葉市長選も党所属市議の足並みが乱れた。[br][br] 菅政権下の地方選は苦戦が多い。昨年10月の富山県知事選は国会議員や地方議員の対応が割れ、県連推薦の現職が敗れた。今年1月の岐阜県知事選は国会議員らが推した現職が制したが、重鎮県議が対抗馬を推して保守分裂となった。党幹部は「衆院選で大事なのは国会議員と地方組織の協力だ。立て直す必要がある」と苦悩を明かした。[br][br] ▽反転[br] 秋までの衆院選のタイミングを探る首相は、内閣支持率の動向に神経をとがらせる。3月20、21両日の共同通信社の電話世論調査では42・1%で、昨年12月から3回続いた下落に歯止めがかかった。[br][br] 首相と同期の佐藤勉総務会長は全国幹事長会議で、4月に見込まれる首相訪米やデジタル改革関連法案の成立を列挙し「菅政権の真骨頂はまさにこれからだ」と反転攻勢に自信を見せた。しかし、世論調査でワクチン接種計画が遅いとの回答が65・6%に上った。閣僚経験者は「支持率はコロナ次第だ。政府への不信は払拭(ふっしょく)されていない」とくぎを刺した。 自民党が敗北した菅政権下の主な地方選