六ケ所村が消防団員家族に退職金支給へ 団員数確保に向け支援、県内初

出初め式で分列行進を披露する六ケ所村消防団員。年々、団員数が減少しており、新たな人員確保が急務になっている=2020年1月、六ケ所村 
出初め式で分列行進を披露する六ケ所村消防団員。年々、団員数が減少しており、新たな人員確保が急務になっている=2020年1月、六ケ所村 
来たれ消防団―。六ケ所村は新年度から、15年以上継続して勤務した村消防団員が退職する際、団員の家族へ慰労金を支給する独自の退職慰労金制度を創設する。村によると、同様の慰労金は青森県内初で、全国的にも珍しい。現状の団員数は条例で定める定数を下.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 来たれ消防団―。六ケ所村は新年度から、15年以上継続して勤務した村消防団員が退職する際、団員の家族へ慰労金を支給する独自の退職慰労金制度を創設する。村によると、同様の慰労金は青森県内初で、全国的にも珍しい。現状の団員数は条例で定める定数を下回っているほか、人員確保も年々難しくなっている。消防団関係者は「新制度創設で活動への家族の理解を深めてもらい、団員減少に歯止めをかけられれば」と力を込める。[br][br] 消防団は各自治体が設置する消防機関で、団員の身分は非常勤特別職の地方公務員。火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場に駆け付け、消火や救助などに携わるなど地域防災で重要な役割を担っている。[br][br] ただ、村内の団員数は企業勤めの人が増えるなど社会情勢の変化を背景に、年々減少。かつては村の条例定数215人を満たし、入団が順番待ちだった時期もあったというが、本年度は182人(2020年4月1日現在)と減っている。[br][br] 核燃料サイクル施設も抱える同村にとって、災害に備えた団員の確保は重要課題。消防団や村議会からは村に支援策を求める声が上がっていた。[br][br] 村の新制度は団員を支える家族に対し、長年の労苦に報いることを目的に新設する。退職する団員の継続勤務が15年以上の場合は10万円、20年以上は20万円を支給する。新年度予算には計100万円を計上した。村原子力対策課は「団員に対する処遇を改善することで、加入促進につなげたい」と狙いを語る。今後は団員に村内温泉施設の無料入浴券を交付する事業の開始も予定している。[br][br] 消防団によると、団員はサイレンが鳴れば、どこにいても現場に駆け付けるため、家族に迷惑や心配をかけることが多い。また、休日を機材整備や訓練に充てたりするなど、家族サービスが犠牲になることもあるという。[br][br] 村消防団の久保政廣団長は「活動には家族の理解が不可欠。その苦労に目を向けてくれたのはありがたい」と歓迎。「各分団も団員の勧誘には苦労しているが、アピールする大きな助けになる」と話している。出初め式で分列行進を披露する六ケ所村消防団員。年々、団員数が減少しており、新たな人員確保が急務になっている=2020年1月、六ケ所村