共同事業化見通し先送り 東電東通原発巡り幹部発言

越善靖夫村長(手前)に東通みらい共創協議会の概要を説明する宗一誠青森事業本部長(右)=19日、東通村役場
越善靖夫村長(手前)に東通みらい共創協議会の概要を説明する宗一誠青森事業本部長(右)=19日、東通村役場
東京電力ホールディングスの宗一誠常務執行役青森事業本部長は19日、建設工事を中断している東通原発(東通村)について、他社との共同事業化も視野に入れた事業主体となる「基本的枠組み」を年度内に提示するとの目標を断念する意向を示した。また、東電は.....
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 東京電力ホールディングスの宗一誠常務執行役青森事業本部長は19日、建設工事を中断している東通原発(東通村)について、他社との共同事業化も視野に入れた事業主体となる「基本的枠組み」を年度内に提示するとの目標を断念する意向を示した。また、東電は同日、地域振興を目的にした「一般社団法人東通みらい共創協議会」を村と共同で設立。協議会に対し、初年度の2020年度は6億円を拠出する。[br][br] 東電は17年に共同事業化について「20年度ごろをめどに協力の基本的枠組みを整えていく」との方針を提示した。19年には中部電力と原発メーカーの東芝、日立製作所と原発の共同事業化を検討することで合意。東通原発の枠組みも20年度内に示すとしてきた。[br][br] 宗氏は19日の取材に「詰めるべき課題が多い。現時点で責任あるところまで見通しを示すまで行き着かなかった。引き続き検討を進め、少しでも早く見通しを示したい」とした。[br][br] 一方、宗氏は「これまで村と持続可能な地域づくりなどの検討を重ねてきた」と説明。協議会は宗氏が代表理事に就任し、東電と村の関係者が役員を務める。理事の1人には第三者として立教大の安島博幸名誉教授が就く。東電は拠出総額を明かしていないが、24年度までの5年間で30億円を拠出するとみられる。[br][br] 村によると、協議会を通じた本年度の事業は、人口減少対策や種苗・稚魚放流などに2億7千万円、21年度は整備中の農産物加工施設の建設工事費に9億3千万円を充当する方向で調整を進め、協議会で正式決定する運びだ。この日、報告を受けた越善靖夫村長は「村にも東電にも原子力との共生という面で非常に意義がある」と語った。[br][br] 東電は19年3月に策定した青森行動計画の「持続可能な地域の共創」の取り組みの一環で、18、19年度に企業版ふるさと納税で計4億円を寄付。その際は福島第1原発事故の賠償などが残る中、一部自治体への優遇に対する批判があった。[br][br] 宗氏は「福島の再生と共に電力の安定供給も使命である。東通原発をしっかり進める必要がある」と理解を求めた。越善靖夫村長(手前)に東通みらい共創協議会の概要を説明する宗一誠青森事業本部長(右)=19日、東通村役場