コロナ禍の就活事情 会社説明会オンライン主流も… 双方が意思疎通苦心

コロナ禍で学生の就職活動はオンライン化が進む一方、企業側からも学生側からも対面式の会社説明会を望む声が根強い(写真はコラージュ。上はリモートで学生に説明する青森県警の担当者、下は対面式で実施された合同企業説明会)
コロナ禍で学生の就職活動はオンライン化が進む一方、企業側からも学生側からも対面式の会社説明会を望む声が根強い(写真はコラージュ。上はリモートで学生に説明する青森県警の担当者、下は対面式で実施された合同企業説明会)
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、就職活動の現場は非対面のオンライン方式が主流になっている。今月1日に解禁された2022年卒の大学生らの会社説明会は、北奥羽地方でも大半がリモートで開催。学生は一日に複数社の説明を受けられ、移動時間や交通費.....
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 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、就職活動の現場は非対面のオンライン方式が主流になっている。今月1日に解禁された2022年卒の大学生らの会社説明会は、北奥羽地方でも大半がリモートで開催。学生は一日に複数社の説明を受けられ、移動時間や交通費の節約になるメリットがある半面、企業側も学生側も円滑な意思疎通に苦心しているようだ。一方、従来の対面式を求める声は双方から根強い。就職後の早期離職を防いで定着につなげるためにも、相互に理解を深められる就活の環境づくりが重要性を増している。[br][br] 八戸学院大は2~6日の5日間、オンラインの就職説明会を開催。参加した約40の企業・団体の担当者が主にそれぞれの社内から発信し、自宅などにいる学生とリモートで面談した。[br][br] 同大は昨年の説明会が急きょ中止になった事態を踏まえ、コロナ禍に対応した就職サポートの在り方を検討してきた。オンライン活用について、キャリア支援課の村本景課長補佐は「従来の対面式よりも学生が説明を受けられる回数が多くなった」と利点を挙げる。[br][br] ただ課題も感じており、「非対面では企業と学生がうまくコミュニケーションを取ることが難しくなる。オンラインに不安を感じている学生を支援しながら、双方が接点を持てるように考えていきたい」と話す。[br][br] 慣れないオンライン開催には運営側も苦慮している。青森県内のある大学は、例年の対面式よりも参加企業数を少なくした。担当者は「オンラインの運営は手間が掛かる。もっと多くの企業に参加してもらいたかったが、マンパワーが足りなかった」と明かす。[br][br] 昨年は感染拡大防止の観点から、大半の合同説明会が中止に追い込まれたが、今年は対策を講じて実施する動きも広がる。八戸公共職業安定所などは8日、八戸プラザアーバンホールで開催し、学生と企業の担当者がパーティション越しに顔を合わせて対話した。[br][br] 住宅会社「タナカホーム」(八戸市)の小原一春副社長は「インターンシップの段階からウェブを活用してきたが、本来ならば学生と直接対面して表情などを見ながら話をしたい。会社の将来を担う人材を獲得するため、新卒採用は継続していく」と強調する。[br][br] 学生側からも対面式を希望する声は少なくない。北海道内の大学3年の男子学生(21)=三沢市出身=は「地元に戻って就職を考えているので、オンラインは移動時間や交通費の負担が軽い」とする一方、「実際に就職する会社のことは、直接会ってさまざまな話を聞きたい」と本音を語る。[br][br] 八戸職安の佐藤正宏所長は「企業側と学生側が詳細なやり取りをするには対面が効果的。双方から対面式のニーズがあり、感染防止対策を図りながら可能な範囲で実施した」と話した。コロナ禍で学生の就職活動はオンライン化が進む一方、企業側からも学生側からも対面式の会社説明会を望む声が根強い(写真はコラージュ。上はリモートで学生に説明する青森県警の担当者、下は対面式で実施された合同企業説明会)