【ヘンリー王子夫妻暴露】肌の色発言、勇敢か不敬か 米英で際立つ温度差

 オプラ・ウィンフリーさん(手前)のインタビューを受けるヘンリー英王子(左)とメーガン妃(Harpo Productions提供・AP=共同)
 オプラ・ウィンフリーさん(手前)のインタビューを受けるヘンリー英王子(左)とメーガン妃(Harpo Productions提供・AP=共同)
英王室の公務を退いたヘンリー王子夫妻が米CBSテレビのインタビューで、王室から長男の肌の色を巡る懸念を伝えられたと暴露した問題が波紋を広げている。アフリカ系の血を引く米国人俳優出身のメーガン妃(39)に対し、米国では勇気をたたえる声が大きい.....
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 英王室の公務を退いたヘンリー王子夫妻が米CBSテレビのインタビューで、王室から長男の肌の色を巡る懸念を伝えられたと暴露した問題が波紋を広げている。アフリカ系の血を引く米国人俳優出身のメーガン妃(39)に対し、米国では勇気をたたえる声が大きい一方、英国では保守層を中心に「王室への不敬だ」との反発が拡大。米英の温度差が際立っている。[br][br] ▽援護射撃[br][br] 「なんですって?」。司会の米黒人女性オプラ・ウィンフリーさんが目を見開き、口をあんぐりさせた。メーガン妃が「生まれたとき肌の色がどれほど濃いかという会話が(王室内で)あった」と言った直後のことだ。[br][br] 米国で絶大な人気を誇るウィンフリーさんは、人種差別解消を訴える「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動や性差別反対でも積極発言を繰り返す“ご意見番”の大物だ。[br][br] 7日放映のインタビューは注目を集め、報道によると、全米で1700万人超が視聴。世論調査会社ユーガブによると、放送を見たり記事を読んだりした人の7割弱が共感し、王室に同情するとの3割弱を圧倒した。[br][br] 「勇気とリーダーシップをありがとう」と黒人女性歌手ビヨンセさん。クリントン元国務長官ら著名人からも援護射撃が続く。CBSは放送権料700万ドル(約7億6千万円)をウィンフリーさん側に支払ったとも。メーガン妃は「無報酬」と主張するが、真相は闇の中だ。[br][br] ▽内輪の恥[br][br] 「決して文句を言わず、決して釈明しない」。英歴代君主で最長の在位69年を今年迎えたエリザベス女王(94)は、内情を外に話さないのが信条だ。だからこそ王室の一挙手一投足は注目を浴びる。[br][br] 1981年にチャールズ皇太子と結婚した故ダイアナ元皇太子妃も執拗(しつよう)に注目されることを恐れ、余裕を持てるようになるまで6年かかったと後に告白している。[br][br] 世界を魅了したダイアナ元妃だったが、愛人との関係を断たない皇太子との夫婦仲に悩み、王室からも冷淡な対応を受け別居。96年の離婚で高位の称号を剝奪された。[br][br] ダイアナ元妃を母に持つヘンリー王子が2018年にメーガン妃を妻に迎え、英国内ではより共感の持てる「近代的」な王室となるとの期待が高まった。だが一部大衆紙は交際中から差別的な論調の記事を連発。結婚後もやむことはなかった。[br][br] 英世論は、世代間で割れる。ユーガブによると、18~24歳の48%が王子夫妻に同情的だが、保守層の多い高齢者の55%は女王や王室に共感する。[br][br] 「長男には王子の称号を与えず、警備も提供できないと告げられた」。インタビューで別の不平も語ったメーガン妃。英紙コメント欄には市民らから「内輪の恥をさらした」「要望がかなわなかったから王室を罰しようとした」と批判的な意見が集まった。(ロサンゼルス、ロンドン共同) オプラ・ウィンフリーさん(手前)のインタビューを受けるヘンリー英王子(左)とメーガン妃(Harpo Productions提供・AP=共同)