天鐘(3月13日)

何気なくテレビを付けていることが多い。ふと目を留めてしまうのがクイズ番組。力を試したくなる。東大生よりも速く答えられると、したり顔になる。小学校で習った問題を間違うのは、きっと加齢のせいだ▼幅広い知識を問う教養系、記憶力や思考力を鍛える脳ト.....
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 何気なくテレビを付けていることが多い。ふと目を留めてしまうのがクイズ番組。力を試したくなる。東大生よりも速く答えられると、したり顔になる。小学校で習った問題を間違うのは、きっと加齢のせいだ▼幅広い知識を問う教養系、記憶力や思考力を鍛える脳トレ系、体力や精神力も要する戦闘系とさまざま。楽しみながらも学びを得られるので、老若男女を問わず人気が根強い。テレビ番組の主流の一つである▼生活情報やバラエティーといった娯楽番組でも、クイズは随所に組み込まれている。正答を競うのではない。多くは奇想天外な問題で、出演者の珍回答を引き出す。番組を盛り上げる演出として用いられる▼謎かけを解く頓知にうなる大喜利も、新たな発見に驚く歴史秘話も、当たり外れに一喜一憂する天気予報も。「見方を変えれば多くの番組はクイズなんです」。ある著名なテレビプロデューサーの視点は新鮮である▼最近の番組表をチェックしてみた。そう言われれば、と妙に納得する。さて、これはどう解釈すべきなのだろう。国会中継である。与野党がにらみ合い、口角泡を飛ばしながら、Q&Aを繰り広げている▼コロナも東京五輪も、確かに難問ではあるが、明確な答えが示されない。高額接待に至っては、後になってから違う正解(事実)が露呈する。懸念と疑念ばかりが募る。信頼に足る「ご名答」を聞きたい。