若き太宰治、作文は低迷? 旧制中時代の成績表発見

 青森高で見つかった、太宰治(本名・津島修治)が通った旧制青森中学時代の成績表
 青森高で見つかった、太宰治(本名・津島修治)が通った旧制青森中学時代の成績表
青森県出身の作家・太宰治(1909~48年)が通った旧制青森中学時代の成績表がこのほど、青森中の系譜を継ぐ県立青森高校(青森市)で見つかった。無遅刻・無欠席に加え、理系科目で優秀な成績を収める一方、作文は予想外に低迷していた意外な一面が明ら.....
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 青森県出身の作家・太宰治(1909~48年)が通った旧制青森中学時代の成績表がこのほど、青森中の系譜を継ぐ県立青森高校(青森市)で見つかった。無遅刻・無欠席に加え、理系科目で優秀な成績を収める一方、作文は予想外に低迷していた意外な一面が明らかとなった。[br][br] 青森高が保管していたもので、在籍中の23~27年の成績を学年、学級ごとにまとめた9点。うち8点は初公開だ。遺族の了承を得て昨年12月、校内新聞に掲載した。[br][br] 全体順位は在学4年間、常に上位をキープ。3年次の本名「津島修治」の欄には代数100点を筆頭に化学96点、物理93点など高得点が並ぶ。現在の体育に当たる体操も90点で、181人中3位につけた。一方で「国語漢文」の作文は81点で、他科目と比べて低調だったことも読み取れる。[br] [br] 太宰を研究する東大の安藤宏教授(日本文学)は「努力を惜しまない秀才の一面がうかがえる」と分析。「小説執筆時には、関係する事実を丁寧に調べ上げていたことが分かっており、太宰文学の背景を知る上で価値ある資料だ」と指摘した。[br][br] 青森高で国語を教える西谷ともえ教諭は、文理選択に悩む生徒に「太宰ですらうまくいかないことがあった。試験結果だけで進路を決めず、やりたいことを貫くように」と指導していると話す。[br][br] 成績表は当面、同校が保管する方針で、一般公開の予定はないという。 青森高で見つかった、太宰治(本名・津島修治)が通った旧制青森中学時代の成績表