発達障害児の受け皿徐々に 八戸の施設では9割に改善効果

療育を受ける宮沢桃羽さん(左)。半年間でコミュニケーション力が向上するなど大きな変化が見られた=1月下旬、八戸市の「まなび舎りんけん」
療育を受ける宮沢桃羽さん(左)。半年間でコミュニケーション力が向上するなど大きな変化が見られた=1月下旬、八戸市の「まなび舎りんけん」
発達障害がある子どもが自立した生活を送れるように支援する「療育」の重要性が高まっている。厚生労働省などによると、療育によって生活能力の向上などの効果を得られるとするデータがある一方、支援の網から漏れる子どもが一定数いるとみられる。青森県内で.....
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 発達障害がある子どもが自立した生活を送れるように支援する「療育」の重要性が高まっている。厚生労働省などによると、療育によって生活能力の向上などの効果を得られるとするデータがある一方、支援の網から漏れる子どもが一定数いるとみられる。青森県内では新たな施設開設の動きなどがあるものの、保護者らからは受け皿不足を指摘する声が出ている。[br][br] 発達障害は自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの総称。文部科学省が2012年に実施した調査によると、全国の公立小中学校通常学級の児童生徒の6・5%に発達障害の可能性があると推計され、そのうち約4割が特別な支援を受けられていなかった。[br][br] 幼児期から療育を受けることの意義は大きい。ただ、県内では受け入れ施設や人材が限られ、一般の保育施設などを利用する子どもも少なくない。[br][br] 八戸市内の保育園関係者によると、集団行動になじめないや落ち着きがないなど、発達障害または発達に遅れが見られる「グレーゾーン」の子どもが預けられるケースも多々あり、保育士が対応に苦慮しているという。[br][br] こうした地域のニーズの高まりを受け、学校法人臨研学舎(五戸町)は昨年7月、八戸市に「まなび舎りんけん」を開所した。現在は3歳児から小学6年生までの約30人が利用する。[br][br] 同施設が今年1月に実施したアンケートでは、90%以上の保護者が子どもの体幹や発語、情緒などに改善が見られたとするなど、顕著な変化を実感していた。[br][br] 半年前から同施設を利用する県立八戸第二養護学校2年の宮沢桃羽さん(8)は、大きな音が苦手で学校の教室に入ることやコミュニケーションに抵抗を感じていたが、療育の継続により、最近ではクラスメートに話しかけられるようになるなど、対人関係を築けるまでになってきているという。[br][br] 母親の理智(りち)さんは「『この子には無理なのかな』と思っていたことが、できるようになっている」と驚く。同施設の担当者は「スタッフも子どもたちの変化に喜びを感じながら療育を行っている。これからも、気軽に相談に応じていきたい」と早期療育の提供に向けて思いを強くする。[br][br] まなび舎りんけんへの問い合わせは、電話=0178(38)8718=へ。療育を受ける宮沢桃羽さん(左)。半年間でコミュニケーション力が向上するなど大きな変化が見られた=1月下旬、八戸市の「まなび舎りんけん」