震災から復活した三鉄題材に絵本出版、宇部さん(久慈市)「子どもたちに伝われば」

三陸鉄道の復活を描いた絵本を出版した宇部京子さん
三陸鉄道の復活を描いた絵本を出版した宇部京子さん
久慈市の詩人宇部京子さん(69)は15日、東日本大震災の被害から復活を遂げた三陸鉄道を題材とした絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」を岩崎書店(東京)から出版した。震災から10年を迎える時期での出版に、「震災の記憶がほとんどない子どもたち.....
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 久慈市の詩人宇部京子さん(69)は15日、東日本大震災の被害から復活を遂げた三陸鉄道を題材とした絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」を岩崎書店(東京)から出版した。震災から10年を迎える時期での出版に、「震災の記憶がほとんどない子どもたちに当時の様子が伝われば」との思いを込める。[br][br] 三鉄は線路が流失するなど震災で甚大な被害を受けたが、わずか5日後には久慈―陸中野田間で運賃無料で運転を再開した。出身地の野田村で支援活動をしていた宇部さんはその姿に強く感動した。[br][br] これまでに三鉄を題材とした合唱曲2曲の作詞も手掛け、自らも合唱団に参加して開通式典などで披露してきた。今回は10年越しの念願がかない、絵本の出版に至ったという。[br][br] 絵本では、運行を再開した三鉄が希望の象徴として住民に希望を与え、まちの復興が進んでいく様子を描いた。絵は十和田市出身で盛岡市在住のイラストレーター、さいとうゆきこさんが手掛けた。[br][br] 宇部さんは2015年、津波で流された野田村保育所の脱出劇を描いた「はなちゃんの はやあるき はやあるき」を出版しており、震災に関する絵本は2作目となる。[br][br] 完成した絵本を久慈市内の小学校14校に寄贈した宇部さんは、「三鉄のように絶望的な状況でも立ち上がり、一歩を踏み出す勇気を持った大人になってほしい」と、絵本を通じて子どもたちの成長を願う。[br][br] 絵本は1430円(税込)。全国の書店や三鉄直営店「さんてつや」(宮古市)などで販売する。三陸鉄道の復活を描いた絵本を出版した宇部京子さん