むつ市と七戸町を結ぶ下北半島縦貫道路(全長約68キロ)の整備で、未着手区間となっている野辺地町―七戸町間(約7キロ)について、東北地方整備局の社会資本整備審議会道路分科会東北地方小委員会(委員長・浜岡秀勝秋田大教授)は12日、仙台市で開かれた会合で、バイパスを新規に整備する案と両町を結ぶ国道4号を拡幅する案の2案を提示した。[br][br] 同区間は、上北自動車道天間林道路の(仮称)天間林2インターチェンジ(IC)と下北縦貫道の野辺地ICをつなぐ。完成すれば八戸市―むつ市間が一本の高規格道路で結ばれる。[br][br] バイパス案は、国道4号の西側に片側1車線の別線を整備する。設計速度は時速80キロ。信号交差点を回避でき速達性に優れている。一方で用地確保のため、ルート上にある山林地帯の自然の改変が大きくなる懸念がある。費用の概算は280億~310億円。[br][br] 拡幅案は、片側1車線の現道を片側2車線に広げる。設計速度は60キロ。周辺からのアクセスに優れるが、整備の際に長距離の交通規制が必要となる。費用は250億~280億円。[br][br] 東北地方整備局は、今後実施する沿線地域などへのアンケートと次回小委の審議を経てルートを決める。時期は未定としている。[br][br] 両案について、出席委員からは「防災や減災の観点で、原子力事業者からもヒアリングするべきだ」などの意見が出された。[br][br] 下北縦貫道は、下北地域の観光・産業振興のほか、災害時の避難道路としての役割も期待される。横浜町―野辺地町間の25・3キロは供用が始まっている。