日本銀行青森支店は11日までに青森県内の金融経済概況(10日時点)を発表した。県内の景気について「引き続き厳しい状態にあり、持ち直しの動きも一服している」とし、前回(2020年12月14日)から判断を下方修正。新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に伴う緊急事態宣言や国の観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止で経済活動が鈍化したため。[br][br] 景気判断の表現は同5、6月にリーマン・ショックと同程度の「悪化している」と判断。10月には「持ち直しつつある」と16カ月ぶりに上方修正した。その後は11月に引き下げ、12月は引き上げと感染に左右される状況が続いている。[br][br] 個人消費は判断を引き下げ、「持ち直しの動きが一服している」とした。年末年始の宴会見送りで飲食は大幅に落ち込み、宿泊は県のキャンペーンの下支えが一定程度あるが、トラベル事業の停止で厳しさが増している。一方、ドラッグストアや家電販売、ホームセンター、スーパーは好調が続いている。[br][br] 生産は「持ち直している」と判断を維持。食料品は外食向けが減少、内食向けが増加する二極化が進んでいる。鉄鋼は海外需要の持ち直しで、下げ止まりが見られた。[br][br] 住宅投資は「横ばい圏内」と上方修正。新設住宅着工戸数は貸家で低水準が続いているが、持ち家や分譲戸建ては横ばいとなっている。[br][br] 森本喜和支店長は「緊急事態宣言の地域外でも消費マインドが冷え込み、飲食店の客足減少などにつながっている」と指摘。先行きについては「緊急事態宣言の効果とワクチン接種に期待したい」と述べた。