青森県教委は5日、昨年12月に弘前保健所管内の県立高校で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)について、感染状況の検証結果を発表した。全校生徒を対象に行ったアンケート結果を基に「球技大会や終業式などの行事、学級での活動、部活動、学校外の活動が感染拡大の要因だった」とし、学校生活で感染対策が不十分な場面があったと結論付けた。検証結果を踏まえ、学校での新型コロナ対策を県立学校に同日付で通知した。[br][br] クラスターが発生した高校では生徒や教職員計48人が感染。関連し、他校の生徒を含む接触者13人も感染した。[br][br] アンケートは無記名で行い、「授業中」「昼食」「部活動」など12項目から感染リスクが高かった場面の回答を求めたほか、各場面での感染対策が十分だったかどうかを尋ねた。[br][br] 感染リスクが高かった場面は「昼食」「部活動」「体育の授業」「昼休み」「友人と遊ぶなどの学校外での活動」。「昼食時の会話でマスクをしていなかった」「部活動や体育の授業で活動場所の換気が十分でなかった」などの回答があったという。[br][br] 通知では▽昼食時は対面での飲食を避け、食事後はすぐマスクを着ける▽体育館や休み時間の教室の換気徹底―などを呼び掛けた。卒業式では1メートルの身体的距離の確保や、基礎疾患がある保護者の出席を見合わせるなどの対応を求めた。[br][br] 教室での飛沫ひまつ感染予防や換気徹底のため、机用の仕切り板、二酸化炭素を計測するモニターの設置を推奨。購入した学校には県教委が費用を全額補助する。[br][br] 県教委スポーツ健康課の谷地村克久課長は取材に「対策として何が足りなかったかが分かった。教職員を含めて感染対策を徹底してほしい」と述べた。