天鐘(1月29日)

「名は体を表す」という。物や人の名前は、その実体や本質を示すらしい。家庭的な優しい味が染みる「肉じゃが」、人々を笑顔にする「喜劇」、曲がったことが嫌いな「正義さん」。こじつけが過ぎるだろうか▼生き物は見た目から。メガネザル、ハリネズミ、カメ.....
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 「名は体を表す」という。物や人の名前は、その実体や本質を示すらしい。家庭的な優しい味が染みる「肉じゃが」、人々を笑顔にする「喜劇」、曲がったことが嫌いな「正義さん」。こじつけが過ぎるだろうか▼生き物は見た目から。メガネザル、ハリネズミ、カメムシ…。8年前にNHKで公開された、世界初のダイオウイカの映像は衝撃的だった。最大級の無脊椎動物。圧倒的な存在感は、まさに深海の王様である▼全長1・4メートル、重さ25キロ。シーラカンスを思わせる堂々たる風体に驚いた。大相撲の関取が由来とされる「セキトリイワシ」の仲間で、その最大種だから「ヨコヅナイワシ」。新種の深海魚が駿河湾で発見された▼弱いはず(鰯)なのに横綱とは、矛盾しているような。それでも生息域で食物連鎖の最上位に君臨していると聞けば、ネーミングに納得である。威厳あふれる称号だ。ところで肝心の“本家”はどうだろう▼大相撲ではトップ不在の異常事態が続く。このところ2横綱の休場が目立ち、直近では4場所連続。平幕優勝の多さと無縁ではあるまい。伏兵の躍動は土俵を盛り上げるが、番付の本質が揺らぐようでもある▼引退勧告の次に重い「注意」を受けている。3月の“荒れる春場所”に復活と進退を懸ける。実績は申し分ない。本領を発揮できるか。「看板に偽りなし」の力を見せつけなければ、横綱の名が廃る。