飲酒運転、依然後絶たず/八戸署管内 摘発28年連続ワースト

ドライバーの呼気を確認する八戸署員=2019年12月、八戸市(写真はイメージ)
ドライバーの呼気を確認する八戸署員=2019年12月、八戸市(写真はイメージ)
2020年の八戸署管内の飲酒運転摘発件数は計81件で、青森県内の警察署管内で最も多く、28年連続ワーストとなったことが27日、同署への取材で分かった。県内の摘発件数は329件で、同署管内だけで全体の約4分の1を占める。17年に八戸市で酒類提.....
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2020年の八戸署管内の飲酒運転摘発件数は計81件で、青森県内の警察署管内で最も多く、28年連続ワーストとなったことが27日、同署への取材で分かった。県内の摘発件数は329件で、同署管内だけで全体の約4分の1を占める。17年に八戸市で酒類提供事業者への責務などを定めた条例が施行されるなど、摘発件数は減少傾向にあるものの、他の都市部と比較すると依然として高い水準。改めて市民一人一人の規範意識の向上が必要となりそうだ。[br][br] 同署によると、摘発された人の9割以上が男性で、年齢別では40~50代が約4割、次いで20~30代と働き盛り世代が多くを占める。摘発された場所は、飲食店が立ち並ぶ市中心街が約3割と最も多く、時間帯は、深夜帯の午前2~4時が最多だった。[br][br] 同署が違反者から飲酒運転をした理由を聴取すると、「短い距離なら平気だと思った」「飲んでから時間がたっているので大丈夫だと思った」など、身勝手な思い込みや規範意識の薄さから飲酒運転をしたケースが目立つという。[br][br] 市内のタクシー運転手の男性(59)は「かつて3回も摘発されたという人を乗せたことがある。捕まらなければいいと思っているのか、本当にあきれる」と険しい表情。[br][br] 市中心街で飲食店を営む男性(66)は「お酒を出す側も、お客さんにどうやって帰るのか尋ねるなど、飲酒運転根絶を意識しなければならない」と話す。[br][br] 市内のある運転代行業者の男性は、夏の繁忙期に30分以上の待ち時間になることを挙げ、「決して言い訳にはならないが、なかなか代行が捕まらないのも原因の一つかもしれない」と推測した。[br][br] 摘発件数は、飲酒運転全体の「氷山の一角」との見方もある。50年前に飲酒運転の車にはねられて義母を亡くした、八戸地区交通安全協会の速水悦子会長(75)は「自分は関係ないと考えるのではなく、大切な人が飲酒運転の被害者になるかもしれないという意識を市民全員に持ってほしい。違反の芽を摘むために、家庭や会社、飲食店などみんなで注意し合う意識が必要」と訴えた。[br][br] 同署の浦田浩彰交通官は「飲酒運転は大きな事故につながりかねない。1件でもある限り、根絶に向け力を尽くす」と強調する。ドライバーの呼気を確認する八戸署員=2019年12月、八戸市(写真はイメージ)