20年A棟水揚げ実績 数量低迷、単価も平均下回る/高度管理も現場評価と乖離

大中型巻き網船による八戸港のサバの水揚げで、2020年の八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の取り扱い分は10キロ当たりの平均単価が1337円となり、市第1魚市場を含めた全体の平均単価1435円を下回ったことが26日、市水産事務所のまとめで分か.....
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 大中型巻き網船による八戸港のサバの水揚げで、2020年の八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の取り扱い分は10キロ当たりの平均単価が1337円となり、市第1魚市場を含めた全体の平均単価1435円を下回ったことが26日、市水産事務所のまとめで分かった。取扱数量も目標のわずか3・7%と低迷。高度な衛生管理をうたうA棟だが、漁業現場の評価との乖離が改めて鮮明となった。[br][br] 市によると、A棟では20年10月20日~12月23日の13日間、延べ17隻が水揚げ。数量は1152トンで19年の383トンを大幅に上回ったものの、年間目標3万1200トンには遠く及ばなかった。また、金額は1億5397万円だった。[br][br] 卸売業務を手掛ける八戸魚市場によると、一日ごとのサバの浜値では、A棟分の単価は10月20、27の両日と11月12日で、その日の最安値を記録。一方、12月7日は最高値が付いた。[br][br] 三陸沖のサバの漁期は年々遅れており、昨年は11月に入っても八戸沖は魚影が薄く、型も小ぶりで安値基調が続いた。主な漁場が岩手県沖以南に移った12月以降は漁模様が上向き、魚体のサイズや脂の乗りもアップ。加工業者の在庫不足も加わり、全般的に高値で推移した。[br][br] A棟での水揚げに対し、地元の仲買人や市場関係者の間では、フィッシュポンプなどで身が傷むといった見方が根強い。ただ、高値で取引されたケースについては、複数の市場関係者が「魚体が大きかったのが要因と思われる」と口をそろえた。[br][br] 関係者によると、太平洋側のサバは現在、千葉県沖で漁場が形成されている。八戸港では今月12日に1隻の水揚げがあったもののA棟は使用せず、今後も年度内の入港はほぼないと見込まれている。[br][br] サバ専用施設のA棟は12年度の運用開始以来、毎年の稼働率が計画の1割にも届いていない。市は改善に向けサバとイワシの混獲に対応する方針で、昨年12月23日には試験的にマイワシ33トン、108万円を水揚げしたが、今後、A棟の稼働率を大きく押し上げるほど利用があるかどうかは不透明だ。[br][br] さらに市は作業時間の短縮を目指し、岸壁にクレーンを設置する方針で、これらを盛り込んだ21年度以降の運用の改善計画を3月までに、国に提出することにしている。