【ここに決めた 移住人】魚崎さん、六ケ所村内にカフェ開店

カフェ・ミューフォーでチャレンジを続ける魚﨑朋己さん=2020年12月、六ケ所村 
カフェ・ミューフォーでチャレンジを続ける魚﨑朋己さん=2020年12月、六ケ所村 
原子力関係のエンジニアとして六ケ所村に赴任したのを機に、村を気に入り移り住んだ魚﨑朋己さん(51)。エンジニアの仕事を続ける傍ら、2011年に同村尾駮に飲食店「Cafe Myuu for(カフェ・ミューフォー)」を開店した。近年は移住に関す.....
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 原子力関係のエンジニアとして六ケ所村に赴任したのを機に、村を気に入り移り住んだ魚﨑朋己さん(51)。エンジニアの仕事を続ける傍ら、2011年に同村尾駮に飲食店「Cafe Myuu for(カフェ・ミューフォー)」を開店した。近年は移住に関する村のアドバイザーも務め、移住者の視点を生かして地域の活性化に一役買う。[br][br] 出身地は愛媛県八幡浜市。伊方原発を抱える同県伊方町に隣接し、実家が経営するビジネス旅館には原発関係者が多数宿泊していたという。父親は技術員の派遣を行う会社「伊予エンジニアリング」も経営。原子力が身近な環境で育ち、自然とその道に進んだ。[br][br] 村には01年、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の試運転に携わるために訪問。「当初は1年程度で帰るつもりだった」が、ウラン濃縮部門への出向などもあり、滞在は長期化した。自然豊かでありながら、技術者たちが活発に行き交う村内の様子が郷里と重なり、引かれていった。多くの友人にも恵まれた。何より長女の誕生が大きな転機となった。08年に村内に自宅を建て、父親から継いだ会社も移した。[br][br]   □    □[br] ミューフォー開店は「地域に若い人が集まれるコミュニティーの場がない」と感じたのがきっかけだった。実家が旅館で、もともと人との触れ合いが好きだったこともあり、「ないなら自分で作ろう」と異業種への参入を決めた。屋根までの吹き抜けなど店舗のレイアウトを自ら手掛け、豊富な地元食材を生かしたパスタやピザを看板メニューにした。[br][br] 店舗経営で意識しているのは、常にチャレンジすることだ。「トライアンドエラーで10個のうち1個でも当たればいい。これまで村になかったものを提供したい」。さまざまな食材でメニューを提案したり、海外産の珍しいコーヒーを導入したりと新たなサービスを次々と取り入れる。[br][br] 店は当初の目的通り、若い人や女性らを中心に、多くの地域住民でにぎわう。「始めた頃は意識してなかったが、この店は自分がこの村に根付くために必要なものだったんだと思う」とやりがいを話す。[br][br]   □    □[br] 村の一員になったからこそ、少子高齢化が進む村の将来も気に掛ける。現在は移住のアドバイザーとして地域づくりに関わり、「役場の一つの部署でやっていても継続性がない。熱い思いを持つ人を集めた役場内や民間のチームが必要だ」と、村に人を呼び込むため専門チームが設置できないか知恵を絞る。[br][br] 自身の店でも新商品開発などで村をアピールすることを考えている。「自分も村のためにできることをしたい」。ほれ込み移り住んだ“古里”と一緒にこれからも歩むつもりだ。[br]※随時掲載カフェ・ミューフォーでチャレンジを続ける魚﨑朋己さん=2020年12月、六ケ所村