青森県産ゴボウ品薄で高値 背景に天候不順や安値反動も

積もった雪を除雪機で飛ばしながら行われるゴボウの収穫作業=15日、三沢市鹿中
積もった雪を除雪機で飛ばしながら行われるゴボウの収穫作業=15日、三沢市鹿中
2020年産の青森県産ゴボウが、高値で推移している。天候不順による品薄傾向に加え、記録的な安値だった19年産の反動もあり、単価高となっている。新型コロナの影響による巣ごもり需要も堅調で、生産者の出荷意欲は旺盛。県南地方の畑では、積もった雪を.....
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 2020年産の青森県産ゴボウが、高値で推移している。天候不順による品薄傾向に加え、記録的な安値だった19年産の反動もあり、単価高となっている。新型コロナの影響による巣ごもり需要も堅調で、生産者の出荷意欲は旺盛。県南地方の畑では、積もった雪を片付けながら収穫する光景も見られる。[br][br] 東京都中央卸売市場によると、ゴボウ1キロ当たりの平均単価は20年11月が285円と、前年同月の168円に比べ1・7倍。年明けはさらに上昇し、425円前後で取引されている。[br][br] 産地価格も同様だ。八戸市中央卸売市場の卸売会社・八戸中央青果によると、1月の単価は平年で250円ほどだが、今年は400円前後。担当者によると、20年産は7月の日照不足で肥大が進まず、全体的に生産量が減った。豊作だった前年産の単価が70円台まで暴落したことから、作付面積を減らした農家もおり、収量減に輪を掛けた。[br][br] 鍋シーズンとも重なってスーパーからの引き合いは強いといい、「今の時期は青森以外に主だった産地がない。当面は高値が続くのではないか」と見ている。[br][br] 高い需要を背景に、県南では珍しい“雪中掘り”に踏み切る生産者もいる。おいらせ町の農業生産法人・ナチュラルファーム(山本政義代表)は例年、15ヘクタールのゴボウを秋に掘り切るが、今季は積雪時期が早かったこともあり、約半分を掘り残してしまった。掘り残しは一般的に春掘りに回すが、山本代表は「今の相場なら除雪経費に見合った収入が得られる」と判断し、12日から収穫作業を開始した。[br][br] 40センチ以上の雪が積もった畑での収穫は、創業21年目で初めてだが、スムーズに進んでいるという。山本代表は「冬の仕事ができて従業員の雇用を守れた。春の農作業への影響も少なくて済みそうだ」と、胸をなで下ろした。積もった雪を除雪機で飛ばしながら行われるゴボウの収穫作業=15日、三沢市鹿中