【八戸えんぶり中止】悔しさの一方、一定の理解/各えんぶり組

新型コロナウイルスの感染状況を考慮して中止へと踏み切った八戸えんぶり(写真はコラージュ。右上から時計回りに、かがり火えんぶり、えんぶり撮影会、お庭えんぶり、一斉摺り)
新型コロナウイルスの感染状況を考慮して中止へと踏み切った八戸えんぶり(写真はコラージュ。右上から時計回りに、かがり火えんぶり、えんぶり撮影会、お庭えんぶり、一斉摺り)
新型コロナウイルスの感染状況などを考慮し、一転して中止へと踏み切った八戸えんぶり(2月17~20日)。開催の期待と感染リスクの不安に揺れてきた、八戸市や近隣の各えんぶり組は「仕方ない」「安心した」などと一定の理解を示した。晴れの舞台を待ちわ.....
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 新型コロナウイルスの感染状況などを考慮し、一転して中止へと踏み切った八戸えんぶり(2月17~20日)。開催の期待と感染リスクの不安に揺れてきた、八戸市や近隣の各えんぶり組は「仕方ない」「安心した」などと一定の理解を示した。晴れの舞台を待ちわびていた子どもらは「悔しさを来年にぶつけたい」と気丈に話し、気持ちを切り替えた。[br][br] 「本当にコロナさえなければという思いは強い。ただ、半分は安心したというのが本音だ」。階上町の鳥屋部えんぶり組の久保沢喜一副代表は複雑な心境を明かした。長年指導に当たり、一緒に舞台に立つはずだった町立階上小の児童らを思い、「子どもたちの頑張りを見てきただけにやるせない」とうつむいた。[br][br] ただ、重症化のリスクが高いとされる高齢の組員もおり、「仲間を危険な目にさらすわけにもいかない。中止の決断をしてもらい、どこかほっとしたよ」と安堵(あんど)の表情ものぞかせた。[br][br] コロナ禍により各組には人手確保の心配も広がっていた。同市の小中野えんぶり組では、子どもを出演させている保護者からクラスター(感染者集団)を不安視する声も寄せられていたという。橋本隆幸代表は「全国の状況を考えれば、中止はやむを得ない。今回の判断を尊重したい」と強調した。[br][br] 同市の糠塚えんぶり組の笹垣堅一代表は「準備を進めてきただけに残念だが、えんぶりの依頼があれば、感染対策を万全にした上で披露したい思いはある」と楽しみにしていた市民の気持ちをくんだ。[br][br] 力強い勇壮な摺(す)りに対し、明るい祝福芸で会場を盛り上げてきた子どもたちは前を向いた。3歳から参加してきた同市の女子中学生(13)は「えんぶりがない冬は初めてで不思議な感覚。演技が下手にならないよう、来年に向けて練習を続けていきたい」。八戸三社大祭にも参加する同市の男子小学生(12)も「コロナが広がってから、悲しいことばかり。来年は今年できなかった分を含めて大暴れしたい」と力強く話した。[br][br] 仕事を持つ人たちは、職場との調整に頭を悩ませてきた。階上町の女性会社員(37)は「会社から今年は控えてほしいと言われ、参加したい思いとの狭間はざまですごく苦しかった」と吐露。「中止ぐらいでえんぶりへの思いは変わらない。『来年が早くも楽しみ』という気持ちで1年を過ごしたい」と顔を上げた。新型コロナウイルスの感染状況を考慮して中止へと踏み切った八戸えんぶり(写真はコラージュ。右上から時計回りに、かがり火えんぶり、えんぶり撮影会、お庭えんぶり、一斉摺り)