【北奥羽丑(うし)物語】(4・完)NAMIKIデーリィファーム(野辺地町)

円形の機械に乗って搾乳される乳牛。一度に60頭分の作業ができる=2020年11月、野辺地町
円形の機械に乗って搾乳される乳牛。一度に60頭分の作業ができる=2020年11月、野辺地町
2021年は丑(うし)年。私たち人間は、古くから農耕や運搬の労力として牛の力を借り、命を頂いて肉を味わってきた。冷涼で自然豊かな北奥羽地域は牛の生育に適した環境で、畜産も盛ん。各地で特徴のある肉牛や乳製品が生産され、闘牛などの独自文化も息づ.....
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 2021年は丑(うし)年。私たち人間は、古くから農耕や運搬の労力として牛の力を借り、命を頂いて肉を味わってきた。冷涼で自然豊かな北奥羽地域は牛の生育に適した環境で、畜産も盛ん。各地で特徴のある肉牛や乳製品が生産され、闘牛などの独自文化も息づく。温厚でマイペースながら、強い意志を秘めた牛のイメージは、なんだか南部人の気質にもつながる。丑年をきっかけに、身近な牛について理解を深めよう。[br][br]◇円形機械で60頭分搾乳[br] 野辺地町北部に広大な牛舎を構えるNAMIKIデーリィファーム(金子吉行社長)。乳牛用のホルスタイン約1500頭を生育する、青森県内最大級の酪農場だ。大規模畜産を展開する金子ファーム(七戸町)の酪農部門として2017年に創業。年間の搾乳量は約1万7千トンで、県内全体の3割近くを占める。[br][br] その作業を支えるのが、最新鋭の機材を使った牛の管理システムだ。1頭ごとにセンサーを付け、健康状態や食事、搾乳量などをデータ化して一元的に管理。体調ごとに牛舎を変えるなど、牛が乳を出しやすい環境を作っている。[br][br] 大量の搾乳には、通称「メリーゴーラウンド」と呼ばれる巨大な機械が活躍する。円形の台が回転しており、乗り込んできた牛に自動の搾乳機を装着。一度に60頭分の搾乳ができる。1日中稼働することで、大量の牛乳を確保している。[br][br] 金子社長は「最新の機械を使うことで、より牛の状態が分かるようになった」と説明。大規模化を図りながらも、1頭1頭への目配りはよりきめ細やかになり、機械と人の手を合わせた「新しい酪農の形」を追求している。円形の機械に乗って搾乳される乳牛。一度に60頭分の作業ができる=2020年11月、野辺地町