田子高郷土芸能部 思い込め最後の単独公演/来年度は閉校控え人数確保できず

最後の単独公演で演舞を披露する田子高郷土芸能部の部員たち
最後の単独公演で演舞を披露する田子高郷土芸能部の部員たち
2021年度末で閉校する青森県立田子高の郷土芸能部が20日、田子町のタプコピアンプラザで最後の単独公演を行った。現在の部員数は20人で、3年生11人が卒業すると演目に必要な人数が確保できないため、関係者に感謝を伝える機会として企画。部員たち.....
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 2021年度末で閉校する青森県立田子高の郷土芸能部が20日、田子町のタプコピアンプラザで最後の単独公演を行った。現在の部員数は20人で、3年生11人が卒業すると演目に必要な人数が確保できないため、関係者に感謝を伝える機会として企画。部員たちは指導を受けてきた芸能団体メンバーや保護者を前に、思いを込めて持てる力を出し切った。[br][br] 同部は01年に創部し、青森県無形民俗文化財「田子神楽」や周辺地域に伝わる盆踊り「ナニャドヤラ」を継承。全国高総文祭には10度出場し、2010年に最優秀賞を獲得した。ほかにも東京都の商店街に招かれてイベントを開くなど、質の高い演舞が全国的に高い評価を得ている。[br][br] ただ、近年は部員が減少し、閉校に伴う募集停止で本年度は1年生ゼロの状態に。創部に携わり、長年顧問を務める伊藤慎教諭(63)は「楽器の演奏と踊り手に振り分けるには20人がぎりぎりの数。9人では演目を披露できない」と説明する。[br][br] 今回の企画は「感謝公演」と題し、約100人が来場。第1部では部を指導してきた町ナニャドヤラ保存会、田子神楽保存会が演舞を披露し、部員がそれぞれの代表者へ花束を贈った。[br][br] 第2部は部員が登場し、活動の集大成として躍動感あふれる演舞を見せた。部長の大向沙紀さん(18)は「郷土芸能を通じて成長できたことを誇りに思う。部が功績を残せたのは町の皆さんのおかげ」とあいさつし、町民への感謝として山本晴美町長に花束を手渡した。[br][br] 公演終了後、大向さんは「緊張したけれど、楽しみながら力を出し切れた。ただ、これが最後だと思うと寂しさもある」と複雑な表情を見せた。[br][br] 伊藤教諭は「生徒の一生懸命な姿勢が多くの人の心を打ち、ここまで活動を続けてこられた」と教え子たちをたたえた。[br][br] 同部は21年度も存続し、地域の盆踊りイベントなどに参加する。所有する衣装や楽器は田子中に寄贈する方針という。最後の単独公演で演舞を披露する田子高郷土芸能部の部員たち