漆掻き登録決定に地元二戸沸く/ユネスコ無形文化遺産

地元の子どもたちと一緒にくす玉を割って登録決定を祝う工藤竹夫会長(左)と藤原淳市長(右)=18日、二戸市役所
地元の子どもたちと一緒にくす玉を割って登録決定を祝う工藤竹夫会長(左)と藤原淳市長(右)=18日、二戸市役所
日本一の漆の産地が喜びに沸いた。二戸市の漆搔(か)き技術を含む「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まってから一夜明けた18日、関係者からは「技術が世界.....
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 日本一の漆の産地が喜びに沸いた。二戸市の漆搔(か)き技術を含む「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まってから一夜明けた18日、関係者からは「技術が世界に認められた」「もっと浄法寺漆を広めたい」など歓喜の声が聞かれた。[br][br] 同日、藤原淳市長と市役所で会見した、日本うるし搔き技術保存会(同市)の工藤竹夫会長は「漆が売れず農業をやりながら何とか続けた時期もあったが、先人がつないできた技術が認められてうれしい」と長年の活動を振り返りつつ、無形文化遺産への登録決定の喜びをかみしめた。[br][br] 2015年に文化庁が国宝などの文化財の修繕に原則として国産を使用するよう通知して以降、一気に需要が高まった浄法寺漆。同団体や市が職人育成や生産強化に一層力を入れ、19年は全国生産量の74・5%に当たる1・48トンを確保。15年に20人だった職人は現在37人まで増加した。ただ、文化財修復などには2・2トンが必要で、さらなる増産が求められる。[br][br] 藤原市長は漆を搔く原木が足りない現状に触れ、「登録は今後のまちづくりの原動力となり、次世代へ引き継ぐ大切な使命を頂いた。今後も民間と協力して植樹などを進める」と強調した。[br][br] 市役所で行われた、登録記念のくす玉割りに参加した浄法寺小5年吉田煌牙君は「浄法寺の漆がすごいということを世界中の人に伝えるために、もっと勉強したい」と笑顔。同校では、授業の一環で浄法寺漆の学習や発表をしており、6年田口悠就君は「登録されて誇らしい。下級生にも伝えていきたい」と声を弾ませた。[br][br] 同日、達増拓也岩手県知事は定例会見で「無形文化遺産として認められることでより注目される。県としてもさらに魅力の発信に力を入れたい」と述べた。地元の子どもたちと一緒にくす玉を割って登録決定を祝う工藤竹夫会長(左)と藤原淳市長(右)=18日、二戸市役所