天鐘(12月17日)

独国のメルケル首相が、16日から始まったロックダウン(都市封鎖)を前に連邦議会で行った演説が世界に配信され、感動を呼んでいる。心を込めた言葉は人種や政党の垣根を越えてあらゆる人の心に染みるようだ▼「毎日500人もの命が失われている現実を私は.....
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 独国のメルケル首相が、16日から始まったロックダウン(都市封鎖)を前に連邦議会で行った演説が世界に配信され、感動を呼んでいる。心を込めた言葉は人種や政党の垣根を越えてあらゆる人の心に染みるようだ▼「毎日500人もの命が失われている現実を私は受け入れることができません」「現実を直視しないで、今年が祖父母との最後のクリスマスになってしまったら…」▼冷静な首相が拳を振り上げ、演壇を叩(たた)いて感情を露わにした。ヤジる極右議員には「東独で物理学者を志したのは国が事実を捻(ね)じ曲げても物理の法則は歪曲(わいきょく)できないと信じたから」と自らの哲学を持って説得した▼“優等生”の独国が秋冬に一転、地獄の様相だ。なり振り構わず訴える彼女の姿が国境を越え、世界で共感を呼んでいる。一方、日本でも感染拡大の危機から菅義偉首相肝いりのGoTo事業が急停止された▼だが、コロナ対策分科会の尾身茂会長が「深刻だ」と事業の一時停止を提言、記者会見していた頃、菅首相はニコニコ生放送に出演。「ガースーです。GoToが悪いことになっちゃって…」と笑いを取っていた▼また混乱に陥った「全国急停止」を決断後、芸能人らと多人数の会食を梯子(はしご)したというから笑えない。同じ敵に向かっているのにこの温度差は何? 「隣の芝生は青く見える」らしいがつい見比べては嘆息ばかり。いつもの悪い癖だ。