青森県は30日、10月の観光統計調査(速報値)の結果を公表した。県内主要宿泊施設(76カ所)の延べ宿泊者数は、前年同月比15・3%減の20万277人。県内主要観光施設(35カ所)の延べ入り込み客数は、28・7%減の59万9217人だった。北東北に対象を拡大した県の宿泊キャンペーンや国の観光支援事業「Go To トラベル」が、紅葉シーズンの観光を下支えした格好。10月中旬に弘前市で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)による影響は、全県では限定的だった。[br][br] 新型コロナ発生後の観光動向を見ると、緊急事態宣言が出された4、5月は前年より7割以上減少。6月以降は、感染状況に左右されながらも回復傾向が続いている。[br][br] 宿泊者数を地域別に見ると、上北地域(9カ所)が4万5909人(前年同月比6・3%減)と最多。このほか県南地方では、八戸市(17カ所)が3万8488人(11・7%減)、下北地域(12カ所)は2万1925人(0・6%増)だった。[br][br] 観光施設の延べ入り込み客数は、県南では八戸市の八食センターが14万7738人(21・2%減)、十和田市の石ケ戸休憩所は4万5008人(36・3%減)、むつ市観光交流センター「安渡館」は5358人(23・1%減)。[br][br] 一方、感染が拡大した弘前市では落ち込みが目立った。宿泊者数は3万8154人(33・5%減)、延べ入り込み客数は弘前市立観光館が2万8232人(51・5%減)だった。[br][br] 県観光企画課は「需要喚起策が効果を上げたが、県内での感染拡大後は減少傾向となり足踏みした」と指摘。「例年、11月以降は観光客は減少する。感染対策を徹底し、需要を取り込みたい」と述べた。