規制奏功、入場者3割に/紅葉期の蔦沼 期間前後は混雑、課題も

入場規制が終了した翌日に混雑した蔦沼=10月28日午前6時50分ごろ、十和田市
入場規制が終了した翌日に混雑した蔦沼=10月28日午前6時50分ごろ、十和田市
朝焼けの紅葉が人気を集める十和田八幡平国立公園の蔦沼(十和田市)。市や環境省など関係機関で構成する十和田湖周辺交通渋滞対策協議会は今秋、混雑する展望デッキの適正利用や新型コロナウイルスの感染防止対策、周辺の渋滞対策として、10月22~27日.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
朝焼けの紅葉が人気を集める十和田八幡平国立公園の蔦沼(十和田市)。市や環境省など関係機関で構成する十和田湖周辺交通渋滞対策協議会は今秋、混雑する展望デッキの適正利用や新型コロナウイルスの感染防止対策、周辺の渋滞対策として、10月22~27日に初の入場制限を実施した。同省十和田八幡平国立公園管理事務所によると、期間中に付近の国道での路上駐車はなく、早朝の入場者数も最も混雑した2018年の約3割に抑制。一方で、期間の前後は例年同様に混雑が見られた。協議会は来年も入場制限を行う考えで、年度内に今回の結果を踏まえた対策の方向性を示す。[br][br] 入場制限終了翌日の28日午前5時。蔦温泉の約80台分ある駐車場はあふれ、駐車場所を求める車列が近くの国道まで続いていた。展望デッキは混雑し、デッキ外に踏み出す観光客の姿もあった。同温泉によると、27日夕方から車中泊をしていた人もいたという。[br][br] 新潟県の20代男性は、27日に規制を知らずに来てしまい、入場できなかったため、この日に再び訪れた。医療従事者だというこの男性は「新型コロナ対策なら納得する」と対策に理解を示した上で、「旅行者向けにもっと情報を広めてほしかった。紅葉のピークを考えての期間設定だろうが、終わると混雑するこの状況はどうなのか」と指摘した。[br][br] 6日間の入場制限では、事前予約制の早朝(午前4~7時半)は、駐車場代や展望デッキ入場料として1グループ4千円の対策協力金を徴収。日中(午前7時半~午後3時半)は予約制ではないが、駐車場代として1台千円を求めた。[br][br] 同事務所は展望デッキの適正利用者数を150人程度とし、早朝の予約は1日35台、120人を目安に抽選した。対策決定が紅葉の見頃の1カ月前だったことから、今年は同温泉や周辺の宿泊客の来場を事前予約の対象外とした。[br][br] 期間中の早朝の入場は、1日平均107人。18年の最盛期の6日間平均(318人)の3割程度に抑えられた。最多は24日の139人、最少は23日の74人で、天候や曜日が影響した結果に。事前に協力金を支払いながら、来場しなかった人は少なくない。規制終了翌日の28日早朝は、規制期間中の倍となる230人ほどが訪れたとみられる。[br][br] 協議会が協力金を求めた対応について、本紙が複数の利用者に取材したところ、「支払う価値がある景色で、妥当だ」とする意見の一方、「4千円は高すぎる」と、金額の見直しを求める声もあった。[br][br] 同事務所の担当者は「一定の効果があり、来年も入場制限を継続する考えだが、期間や料金設定などは再考する必要がある」と話していた。入場規制が終了した翌日に混雑した蔦沼=10月28日午前6時50分ごろ、十和田市