警戒音流しカラス撃退 八戸市、ベンチャー企業と共同で対策

スピーカーからカラスが嫌がる音声を流し、カラスを追い払う八戸市の職員(右)とクロウラボの塚原直樹代表=17日、八戸市
スピーカーからカラスが嫌がる音声を流し、カラスを追い払う八戸市の職員(右)とクロウラボの塚原直樹代表=17日、八戸市
八戸市は、夕方から夜間にかけて市中心街に集まるカラス対策として、宇都宮大発のベンチャー企業と共同で追い払い策に力を入れている。市内4カ所にスピーカーを設置し、カラスが警戒する音を流すことで電線の上にとどまらせない作戦だ。中心街では数年前から.....
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 八戸市は、夕方から夜間にかけて市中心街に集まるカラス対策として、宇都宮大発のベンチャー企業と共同で追い払い策に力を入れている。市内4カ所にスピーカーを設置し、カラスが警戒する音を流すことで電線の上にとどまらせない作戦だ。中心街では数年前から冬にカラスが大量に飛来し、ふんで道路や歩道が汚れる問題が発生しており、関係者は「ふん害が減り、景観がきれいになれば」と期待を寄せている。[br][br] カラスは例年11月から翌年3月ごろまでの冬期間に飛来する。国内で一般的に見られるのは「ハシブトカラス」や「ハシボソカラス」だが、市中心街に来るのはユーラシア大陸から渡ってくる「ミヤマガラス」が多いという。田んぼの落ち穂や果実などを主食とし、ハシブトやハシボソに比べてごみを荒らすことは少ないとされるが、外敵が少ない市街地を飛び回って電線上にとどまり、鳴き声やふん害を引き起こす。[br][br] 市や中心街関係者はこれまで発光ダイオード(LED)ライトを照射するなどして追い払い策を講じてきたが、抜本的な解決には至っていないのが現状。市は全国各地でカラスの被害対策を手掛ける宇都宮大発ベンチャー企業「CrowLab(クロウラボ)」に協力を要請し、共同で対策に乗り出した。[br][br] 今回は、ふん害が特に著しい同市番町や長横町など市内4カ所にスピーカーを設置。カラスが危険を察知したり、警戒したりするときに発する鳴き声を録音した音源を夕方から夜間にかけて不定期に流し、中心街がカラスにとって危険な場所と認識させる仕組みで、今月から本格的にスタートし、来年3月末まで実施する。[br][br] 17日には市や八戸商工会議所、中心街関係者ら約10人が集まり、追い払いを実施。午後7時に市職員がスピーカーから音声を流すと、電線に止まっていたカラスが一斉に飛び立った。数十分後にはまた電線上に集まりだしたが、再び音声を流すとカラスが飛び立ったことから継続して音声を流すことで追い払いの効果が高まる可能性を示した。[br][br] クロウラボは今後、定点観測を通じて効果の分析と検証を続ける。クロウラボ代表で同大バイオサイエンス教育研究センターの塚原直樹特任助教は「実験では一定の効果が出た。カラス対策の一助になれば」と強調。[br][br] 八戸中心商店街連絡協議会の松井正文会長は「ベンチャー企業の協力は大変心強い。ふん害が減り、市民や観光客が安心して歩けるよう今回の対策に期待している」と述べた。スピーカーからカラスが嫌がる音声を流し、カラスを追い払う八戸市の職員(右)とクロウラボの塚原直樹代表=17日、八戸市