6次産業化コースで商品開発、販売も 新たな人材育成に期待/営農大学校

営大祭に向けてニンジンケーキの製作に取り組む山田太陽さん(左)ら=10月下旬、七戸町大沢の青森県営農大学校
営大祭に向けてニンジンケーキの製作に取り組む山田太陽さん(左)ら=10月下旬、七戸町大沢の青森県営農大学校
七戸町大沢の青森県営農大学校(佐々木伸幸校長)で本年度、加工や販売などの知識を学ぶ6次産業化コースが新設された。校内で育てられた野菜や果樹などを活用し、学生自らが商品の開発、販売を手掛けることで、農作業以外の分野の知識を身に付けることができ.....
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 七戸町大沢の青森県営農大学校(佐々木伸幸校長)で本年度、加工や販売などの知識を学ぶ6次産業化コースが新設された。校内で育てられた野菜や果樹などを活用し、学生自らが商品の開発、販売を手掛けることで、農作業以外の分野の知識を身に付けることができる。初年度の学生たちは新商品を続々と開発するなど、徐々に成果を上げており、農業、畜産分野での新たな人材育成に期待がかかる。[br][br] 同校ではこれまで、学生が畑作園芸、果樹、畜産の3課程に分かれ履修し、農業技術を身に付けてきた。本年度から、2年時の専攻として6次産業化コースがスタート。どの課程からでも選択でき、それぞれの課程のカリキュラムと並行しながら取り組めるのが特徴だ。[br][br] 初年度は6人が選択。業務用の機材が導入された加工実習室を拠点に商品開発に取り組んでいる。[br][br] 畑作園芸課程の山田太陽さん(19)はニンジンケーキの製作に挑戦中だ。自身がニンジンの味が苦手なことを逆手に取り、「独特の甘みを抑えて誰でも食べられる味」を目指している。[br][br] 試行錯誤を重ね、ペースト状にしたニンジンを生地に混ぜ込み、色は鮮やかなオレンジに仕立てながら、独特の甘みを抑えた。[br][br] ケーキは、10月24、25の両日に行われた営大祭で初めて販売。用意した分が完売し、山田さんは「農作業の知識を学びつつ、商品開発に取り組めたのは力になる」と話した。[br][br] 畜産課程の中村桃音さん(19)は、むつ市田名部内田のミルク工房ボン・サーブとオリジナルジェラートを共同開発。同コースで初めての企業との“コラボ商品”となった。[br][br] 学内で採れた牛乳を活用し、「『角切りリンゴ入りフローズンヨーグルト』ジェラート」を考案。このレシピを基に、ボン・サーブがアレンジし、10月のイベントで限定販売した。中村さんは「企業向けに商品化にこぎ着けたのは自信になる」と手応えを感じた様子だ。[br][br] 現在、商品開発だけで満足することなく、それぞれが課題を設定して取り組んでいる。中村さんは「酪農家の新たな副収入の提案」というテーマを掲げており、商業ベースで販売できるよう検討を続けているという。[br][br] 同コースを担当する渡邊智雄主幹は「今年は生徒のアイデアで、さまざまな商品が形になった」と成果を強調。「就農、就職後に役立つ知識と技術を身に付けて戦力になってほしい」と期待を寄せる。営大祭に向けてニンジンケーキの製作に取り組む山田太陽さん(左)ら=10月下旬、七戸町大沢の青森県営農大学校