天鐘(11月17日)

先月初め、各紙に日本学術会議が推薦した新会員「数人の任命を拒否」の見出しが躍った。「5、6人」と声にしたら、若者から「2、3人では」の異論が。拒否は勿論、「数人」が半世紀で半減していた事にも驚かされた▼若者は驚かれた事に驚き、互いに「えっ?.....
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 先月初め、各紙に日本学術会議が推薦した新会員「数人の任命を拒否」の見出しが躍った。「5、6人」と声にしたら、若者から「2、3人では」の異論が。拒否は勿論、「数人」が半世紀で半減していた事にも驚かされた▼若者は驚かれた事に驚き、互いに「えっ?」。実はこの「数(すう)」の受け止め方は年代で異なり、個や台、人など助数詞でも違うという。たかが「数」と思う事なかれだ▼新型コロナで沈んだ景気の回復まで「あと数年」。最近聞く専門家の分析だが、大企業でも「2、3年」と「5、6年」では全く違う。皆“常識”と思い込んでいるが、言う側と聞く側の年齢で誤解のリスクが…▼NHK「ことばのゆれ」調査(2002年度)で辞書の「数個」を調べたら、大方が「3、4個」ないし「5、6個」に集約。「2、3個」としたのは1976年の『例解国語辞典』(増訂判)が初出だった▼80年代以降になると『大辞林』が「数日」を「2、3日から5、6日」と解説するなど、「2」を含む捉え方が増えていく。『広辞苑』は91年から「数日」だけを「2、3日」に早めるが、「数人」は据え置いた▼00年代の『新選国語辞典』には「若い世代ほど少ない数を指す」の注釈が付いた。助数詞でも異なり「数人」の平均は3・3人、「数日」は3・4日に。昔「数個は5、6個」と教わったはずだが…。忙(せわ)しさの余り半減した?