八戸工業大では、新型コロナウイルスの感染拡大防止に役立てようと、八戸地域の医療機関などで目に見えないエーロゾル(微粒子)を可視化する実証実験に取り組んでいる。スモークを使って、ウイルスが飛散する様子をシミュレーションする方法で、同大機械工学科の浅川拓克准教授が中心となり、これまでに八戸市立市民病院や八戸平和病院、おいらせ町の石田温泉病院で実施。実験結果を踏まえ、それぞれの施設の構造や特性に合わせた感染対策に役立てていく。[br][br] 10月22日に実施した石田温泉病院は、外来患者の待合室となるロビーが吹き抜けのため、エーロゾルの拡散が懸念されていた。実際にスモークを流すと、壁沿いに空気が循環し、拡散することなく排気口へ吸引される様子を確認。待合室の空気が診察室や病室があるエリアへ流れ込む心配もないことが分かった。[br][br] 石田正実院長は「『エーロゾルが拡散しているかもしれない』という不安がなくなり安心。結果を踏まえて感染対策を万全にしていきたい」と話した。[br][br] 八戸平和病院では、玄関の風除室を一部改装して発熱外来専用スペースを設置する予定で、ストレッチャーや車いすごと入れる検体採取ボックスも同大と共同で開発に取り組んでいる。11月5日は浅川准教授に加え、病院設計に詳しい同大土木建築工学科の小藤一樹准教授も協力して玄関や排気口の空気の流れをチェック。避難経路の確保なども考慮した上での専用スペースの確保について検証した。[br][br] 浅川准教授は「医療関係者や地域の安心につなげるためにも、学校の知識や技術で貢献できれば」と強調。今後も要望があれば医療機関や福祉施設での検証に協力していくつもりだ。[br][br] 実証実験についての問い合わせは、八戸工業大=電話0178(25)8005=へ。