天鐘(11月5日)

今後の世界秩序を決めると言われる米国の大統領選。民主党のバイデン前副大統領が有利との見方だったが、共和党のトランプ大統領が激戦州を次々制すなど「レッドミラージュ」(赤い蜃気楼=しんきろう=)も見え隠れしている▼「米国第一主義」を掲げ覇権を推.....
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 今後の世界秩序を決めると言われる米国の大統領選。民主党のバイデン前副大統領が有利との見方だったが、共和党のトランプ大統領が激戦州を次々制すなど「レッドミラージュ」(赤い蜃気楼=しんきろう=)も見え隠れしている▼「米国第一主義」を掲げ覇権を推し進めるトランプ氏と、安全保障や外交で国際協調を謳(うた)うバイデン氏はまさに“水と油”。新型コロナを巡る世界保健機関や地球温暖化の「パリ協定」へのスタンスも真逆だ▼「新冷戦」と言われる米中対立の中で、日本と安全保障を誓う同盟国の舵取りが決まる戦いでもある。朝鮮半島の非核化もある。日本の明日を大きく左右する分岐点かもしれない。その結果を心して受け止めたい▼大方は序盤に直接投票が多い共和党色の「レッドミラージュ」に染まり、郵便投票が開く後半は民主党色の「ブルーシフト」に変わるとの読みだった。だが、共和党の善戦で蜃気楼が実像に近づいているとも▼なお不確定ながらトランプ氏は「勝ったも同然」宣言。バイデン氏は「現状に満足だ。忍耐を持って(郵便投票)の結果を待つ」と決着にはなお時間がかかると臭わせた▼もつれる程に分断は深まる。銃で武装した自警団まで登場し、まさかの衝突も心配だ。選挙では民主主義の手本とされる米国の陰ばかり見た。せめてよき米国の伝統で象徴である立派な「敗北宣言」でノーサイドにしてもらいたい。