国土交通省東北地方整備局は27日、国が東日本大震災からの復興道路と位置付ける三陸沿岸道路(八戸市―仙台市、総延長359キロ)のうち、階上インターチェンジ(IC)―洋野種市IC間(7キロ)が12月12日午後3時半に開通すると発表した。これにより、青森県内の全区間が開通し、青森、岩手の県境が高規格道路でつながる。[br][br] 青森県内では八戸南道路(8・7キロ)が2013年、八戸自動車道に直結する八戸南環状道路(8・6キロ)が14年にそれぞれ開通しており、今回の階上―洋野種市間がつながることで防災力や利便性の向上が期待される。[br][br] 同整備局によると、洋野町役場種市庁舎から八戸市立市民病院までの救急搬送時間は現在の約30分から約5分間短縮される。沿線地域で生産が盛んなブロイラーや鶏卵、ウニの輸送時間も短縮できるメリットがあるという。[br][br] 八戸―久慈間約50キロのうち、残る未開通区間の洋野種市IC―侍浜IC(久慈市)間の16キロは、来年3月の開通に向けて工事中。仙台市までの全線開通は来年末となる見込みだ。[br][br] 開通日の決定を受け、洋野町の水上信宏町長は「これまで高速交通網が未整備だった町にとっては大きな前進。大変喜ばしく思っている」と歓迎。[br][br] 青森県の三村申吾知事は「地域産業の振興、緊急時の防災ネットワーク強化はもとより、地域間の連携強化、観光振興に大きく寄与する」と期待を込めた。[br][br] また、整備局は27日、岩手県内で未開通だった普代村―田野畑北IC間8キロを12月19日に開通すると発表した。