小中学生の修学旅行に暗い影 コロナで教育現場も対応苦慮/青森県内

新型コロナウイルスの感染拡大が修学旅行に影を落としている(写真はイメージ。左上から時計回りに東北新幹線、奥入瀬渓流、久慈市での教育旅行の様子、青森市の三内丸山遺跡)
新型コロナウイルスの感染拡大が修学旅行に影を落としている(写真はイメージ。左上から時計回りに東北新幹線、奥入瀬渓流、久慈市での教育旅行の様子、青森市の三内丸山遺跡)
全国的に感染拡大が続く新型コロナウイルスが、青森県内の小中学生の修学旅行に暗い影を落としている。「家族が県外へ出たら、2週間は自宅待機」などの職場ルールがある保護者らが、子どもの旅行参加を見送るケースが出ているほか、最近では弘前市の飲食店で.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 全国的に感染拡大が続く新型コロナウイルスが、青森県内の小中学生の修学旅行に暗い影を落としている。「家族が県外へ出たら、2週間は自宅待機」などの職場ルールがある保護者らが、子どもの旅行参加を見送るケースが出ているほか、最近では弘前市の飲食店で大規模クラスター(感染者集団)が発生し、急な行き先変更を余儀なくされる学校が相次いでいる。修学旅行シーズンが佳境に入る中、どうすれば子どもたちに寄り添った旅行ができるか、教育現場も対応に苦慮している。[br][br] 「コロナに振り回される子どもがかわいそうで仕方がない」。小学6年の息子を持つ、八戸市内の40代女性はため息をつく。[br][br] 息子が通う学校では、当初、2泊3日で函館市に行く予定だったが、県外旅行だと保護者の仕事に支障が出るため参加できない児童が複数いた。学校側は「全員そろって修学旅行に行かせたい」と、協議を重ね、行き先を県内に変更した。[br][br] 感染拡大防止のため、県外出張や旅行について独自のルールを設ける職場は多く、従業員だけでなく同居する家族についても言及する場合も少なくない。特に、医療従事者や福祉施設の職員らは患者や利用者の命を守るため、厳格なルールを設ける傾向にある。[br][br] 八戸市教委は6月、修学旅行に関するガイドラインを各校に配布。教育的意義が大きいことから、可能な限り旅行の実施を求め、日程や行き先も臨機応変に対応するよう通知した。マスクや消毒の徹底、宿泊先の感染防止対策など万全の態勢で、保護者の理解を得られるよう腐心した。[br][br] それでも、仕事を休めないので、子どもの旅行参加を見送るという保護者や旅行を実施すること自体に消極的な意見も。ある中学校関係者は「確実に感染を防ぐことは容易でなく、保護者らがためらう気持ちも分かる」と話す。[br][br] こうした状況を踏まえ、市内の小学校は約半数、中学校は全校が行き先を県内または東北地方に変更した。[br][br] しかし、今月に入ってから弘前市の飲食店で大規模なクラスターが発生。弘前方面へ行く予定だった小中学校の全10校は、急きょ下北地域や岩手県などに行き先を変更した。相次ぐ変更に、保護者や子どもらは困惑を隠せない様子だ。[br][br] 八戸市教委の中村雅臣次長は「日々状況が変化している中、各校が子どものことを最優先し、保護者の理解を得られるよう検討を重ねている」と強調。これから修学旅行に出発するある中学校の校長は「行き先がいつもと違っても『絶対楽しい思い出になる』と生徒に伝えている。何とか無事に修学旅行を終えたい」と切実な思いを語った。新型コロナウイルスの感染拡大が修学旅行に影を落としている(写真はイメージ。左上から時計回りに東北新幹線、奥入瀬渓流、久慈市での教育旅行の様子、青森市の三内丸山遺跡)