青森県は20日、弘前保健所管内で新たに12人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。いずれもクラスター(感染者集団)が発生した弘前市の飲食店に関連。県外や2次感染を含む感染者数は計101人となり、全国的にみても大規模なクラスターに発展した。県内の累計は134人。依然として感染拡大は収束しておらず、県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「全ての関係者を把握できるかは難しい状況。別のクラスターを発生させないことが大事だ」と強調した。[br][br] 20日現在、入院者数は34人、軽症者や無症状者向けの民間ホテルの宿泊療養施設には14人が入所。入院などに向けた自宅待機中は49人。重症者は前日と変わらず2人、新たに60代男性1人は酸素投与が必要になり、中等症は計4人。[br][br] 新たに感染が分かったのは、弘前市鍛冶町のクラブ「縷(ル)・シャモン」、スナック「シャモン」の利用客が男性3人。利用客との関係では同居が女性5人で、知人が男性1人。従業員との関係では知人が男性2人。性別、行動歴が非公表の10代1人は学齢期にある。いずれも軽症または無症状。[br][br] 感染者の急増により、病床や宿泊療養施設の逼迫(ひっぱく)も課題となっている。県によると、新型コロナに対応する感染症病床は県内全域で187床(7日現在)、無症状者らが入居する宿泊療養施設は青森市30室、八戸市100室の計130室を確保している。[br][br] 二次保健医療圏ごとの病床数は明らかしてないが、大西医師は「弘前管内を中心に感染者が発生し、厳しい状況」と述べた。既に他圏域と感染者の受け入れを調整している。[br][br] 飲食店に直接関わる感染者は計62人(従業員21人、県内利用客37人、県外利用客4人)。約180人いるとみられる利用客で検体採取を終えたのは74人。うち69人が検査済み(陽性37人、陰性32人)。