全国初の出土例 かまどから直立の大刀/八戸・法霊林遺跡

青森県埋蔵文化財調査センターが発掘調査を行った法霊林遺跡(八戸市)で、竪穴建物跡のかまどの排煙部から方頭大刀(ほうとうたち)が出土した。遺跡からは7世紀末~8世紀の竪穴建物跡9棟が出土。大刀はこのうち、床面積約60平方メートルの最も大きい建.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 青森県埋蔵文化財調査センターが発掘調査を行った法霊林遺跡(八戸市)で、竪穴建物跡のかまどの排煙部から方頭大刀(ほうとうたち)が出土した。遺跡からは7世紀末~8世紀の竪穴建物跡9棟が出土。大刀はこのうち、床面積約60平方メートルの最も大きい建物跡から見つかった。建物の規模や出土品から、地域の有力者が居住していた可能性が高いという。センターが13日、青森市で記者会見し、発表した。[br][br] 大刀は鉄製で、全長65センチ、刀身の長さは48センチ。刀身は木製のサヤに収まり、欠けた部分がない状態だった。土で半分ほど埋められた排煙部に上から差し込むように入れられていた。センターの担当者によると、こうした出土例は全国初。[br][br] 当時の八戸市周辺に暮らしていた蝦夷の人々にとって、大刀は中央に朝貢した際にもらうもので、自らの地位を示す貴重な品だった。そのため、持ち主が死ぬと一緒に埋葬されることが多かったという。[br][br] 同遺跡では、建物の排煙部に貴重な大刀を入れた上、建物を意図的に焼失させていた。使わなくなった建物を燃やす例は多いが、家財道具は残さないことが多いため、かまどを封じるなど、儀礼的な意図があったと考えられるという。[br][br] また、センターが調査したむつ市の酪農(3)遺跡からは、縄文時代後期の環状列石が出土した。環状列石の出土例は県内では10例目で、下北地域では初めて。環状列石の直径は約20メートル。約50個の石で構成し、長さ1メートルを越える石もある。石は角が残っているものが多く、川の上流から拾ってきた可能性が高いという。遺跡は川の下流に位置するため、数キロ以上離れた地点から石を運んできた可能性がある。[br][br] 同遺跡は来年度も調査を継続し、石の種類や環状列石の下部分などを確認する予定。2遺跡の調査の概要は、センターのホームページで公開している。