少数精鋭3人で全国の舞台へ 図南小(八戸)吹奏楽愛好会

わずか3人で日本管楽合奏コンテスト全国大会に挑む八戸市立図南小吹奏楽愛好会のメンバーら=7日、同校 
わずか3人で日本管楽合奏コンテスト全国大会に挑む八戸市立図南小吹奏楽愛好会のメンバーら=7日、同校 
八戸市立図南小吹奏楽愛好会が、11月24日に開かれる日本管楽合奏コンテスト全国大会へ初出場する。吹奏楽と言えば、木管や金管、打楽器など数十人の奏者で編成されるが、大会に挑むのはわずか3人。しかし、9月の録音審査による予選では、演奏技術や音楽.....
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 八戸市立図南小吹奏楽愛好会が、11月24日に開かれる日本管楽合奏コンテスト全国大会へ初出場する。吹奏楽と言えば、木管や金管、打楽器など数十人の奏者で編成されるが、大会に挑むのはわずか3人。しかし、9月の録音審査による予選では、演奏技術や音楽表現などで高い評価を得て、堂々の突破を果たした。今年は、新型コロナウイルスの影響で、活動休止や演奏機会の激減などさまざまな苦境も経験。ようやくつかんだ夢のステージも、大会史上初の録画映像によるオンライン配信を兼ねた審査となるが、メンバーは逆境をはねのけた音色を全国に響かせるつもりだ。[br][br] 吹奏楽が盛んな八戸で、長年“日陰の存在”だった同愛好会。毎年開かれるコンクールで成績は振るわず、他校の演奏に圧倒されるばかり。児童の減少も相まって、ここ数年は10人以下での活動が続いていたが、歴代メンバーの地道な積み重ねが結実し、2017年の全日本吹奏楽コンクール青森県大会では初の金賞を受賞。昨年も八戸地区大会を突破するなど、人数不足をものともしないパフォーマンスを披露してきた。[br][br] 本年度はコロナ禍による影響が愛好会活動を直撃。6月まで活動を見送り、各自が自宅での練習を余儀なくされた。同コンクールも中止となり、メンバーのモチベーションも低下。愛好会を離れる仲間もいた。[br][br] ただ、演奏を披露することが吹奏楽の醍醐味(だいごみ)。それを諦める訳にはいかなかった。先月初め、指導に当たる外部コーチで指揮者の辻村誠彦さん(43)が、今回のコンテストへの出場を提案。応募締め切りの月末までに楽曲を仕上げるタイトな日程だったため、3~6年生9人から急きょ、3人の選抜チームを結成した。[br][br] 木管楽器の三重奏による楽曲を選び、夕方の限られた時間内で猛特訓。小学生にとっては高い技術が求められる難曲だったが、3人の集中力も次第に高まり、豊かなハーモニーが織りなす見事な仕上がりとなった。[br][br] その結果、審査員から「音色がとにかくきれい」「ハーモニーのバランスが完璧」など高評価を獲得。全国大会では、新たに撮影した動画での審査となるため、来たる“本番”に向け、厳しい練習に励んでいる。[br][br] アルトサックス担当の5年の土師明歩さん(11)は「初めての全国大会も精一杯頑張りたい」と気合十分。クラリネットを担当する5年の森菜々子さん(11)も「オンラインで多くの人に見てもらえるのがうれしい」と笑みをこぼす。[br][br] 今年残された最後の大舞台。出場校のほとんどが大編成の名だたる強豪で、大会に懸ける意気込みは例年以上だ。フルートで後輩2人を引っ張る6年の向明戸花夏さん(12)は「音楽は人数じゃない。3人で最高の演奏を披露したい」と完全燃焼を誓った。わずか3人で日本管楽合奏コンテスト全国大会に挑む八戸市立図南小吹奏楽愛好会のメンバーら=7日、同校