岩手県教委は12日までに、二戸地区に小中高等部一体型の特別支援学校を設置する方針を明らかにした。児童生徒の成長に応じた教育環境の整備に向け、点在している分教室を一貫校として集約し、2028年度までの開校を目指す。[br][br] 本年度中に策定する県立特別支援学校整備計画(21~28年度)案に盛り込んだ。計画策定後、21年度に設置場所や規模といった基本構想の検討を始める。新設校には、地域の特別支援教育のセンター的機能も持たせて情報提供や相談にも広く応じる考えという。[br][br] 同地区の特別支援教育をめぐっては、県立盛岡みたけ支援学校の二戸分教室として、08年度に小学部が二戸市立石切所小、13年度に中学部が市立福岡中、16年度に高等部が県立福岡工高にそれぞれ設置された。[br][br] 開設当初と本年度の児童生徒数を比較すると、小学部は4人から20人、中学部は3人から15人へ増加。分教室の生徒は、教室が設置されている各校の児童生徒と合同で行事に取り組み、相互理解が深まっていた。[br][br] 一方で、人数が増えたことで教室は狭くなってきたため教育環境改善が課題となっており、保護者や市も長年、支援学校の設置を県教委に要望していた。[br][br] 市教委の鳩岡矩雄教育長は「本来は特別支援学校にある設備が整っていないなど、機能面で恵まれない環境だった。一日も早く整備していただきたい」と期待。保護者団体「二戸分教室OB会親の会」の小笠原高徳会長=同市=は「要望活動開始から13年を経て計画に載り、ほっとしている。一貫した流れの中で子どもたちが学べるのは喜ばしい」と歓迎した。[br][br] 県教委は今後パブリックコメントを実施し、本年度中に計画を策定する。高橋縁特別支援教育課長は「子どもや保護者のニーズを取り入れ、子どもの可能性が伸ばせるよう進めていきたい」と述べた。