昨年10月、八戸市市川町の無職女性=当時(81)=を殺害し、現金などを奪ったとして強盗殺人の罪に問われた同市下長2丁目、無職女(60)の裁判員裁判の初公判が12日、青森地裁(寺尾亮裁判長)で開かれ、弁護側は起訴内容を認めた。[br][br] 争点は量刑。検察側は冒頭陳述で、借金取りから逃れる中で生活費に困り、パチンコ店で知り合った女性に借金を申し込んだが断られ、殺してでも金品を奪おうと決意したと指摘。用意したネクタイを取り出し、玄関の方向に逃げた女性を追い掛けて、馬乗りになって首を絞め付けたと説明した。[br][br] 事件翌日の2019年10月30日から逮捕される11月24日までの間、毎日のようにパチンコ店に出入りしていたという。[br][br] 一方、弁護側は借金を断られた後に初めて殺意を抱いたとして「行為に計画性はなかった」と主張した。[br][br] 検察側は冒頭陳述後に関係者の供述調書も朗読。女性の娘と息子の「なぜ殺されなければならなかったのか、無念でならない」「重い処罰を望む」との訴えを読み上げた。[br][br] この日、女は灰色の上着とジャージーのズボンを着て入廷。人定確認や罪状認否でははっきりとした口調で答えた。検察側が現場の状況や証拠の説明をしている最中は、終始うつむいたままで表情を変えることはなかった。[br][br] 起訴内容によると、女は19年10月29日午後4時半ごろから同5時50分ごろまでの間、女性方で、女性の首にネクタイを巻いて絞殺。貯金通帳1通と小銭入れが入ったショルダーバッグ1個、現金6万1315円、商品券11枚(額面合計5500円相当)を奪ったとしている。