農業アルバイト増加 コロナ影響、求職者増え/青森県内

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに青森県内で増加している農業アルバイト=2020年5月、おいらせ町
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに青森県内で増加している農業アルバイト=2020年5月、おいらせ町
青森県内で各農協を通じた農業アルバイトの従事者が増加している。県農協中央会によると、2020年度は4~8月の5カ月間で延べ151人が雇用され、データが残る過去4年で最多を更新した。新型コロナウイルスの影響で休職や離職を余儀なくされた求職者が.....
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 青森県内で各農協を通じた農業アルバイトの従事者が増加している。県農協中央会によると、2020年度は4~8月の5カ月間で延べ151人が雇用され、データが残る過去4年で最多を更新した。新型コロナウイルスの影響で休職や離職を余儀なくされた求職者が増えたのが主な要因。受け入れる農業者側は慢性的な人手不足を解消する好機としたいが、求職者側と作業時間や賃金、年齢など条件が合わずに不採用となるケースもあり課題は残る。[br][br] 県中央会や各農協は、農業分野に特化した求人サイトや無料職業紹介所を通じて作業内容、労働時間、賃金などを紹介。県も求職者と農業者側の求人を結ぶ無料マッチング事業を今年から始めた。[br][br] 各農協を通じた農業アルバイトの従事者数は、17年度48人、18年度105人、19年度113人と着実に伸び続けている。[br][br] 農協別に見ると、リンゴの作業が多い津軽みらい(本店・平川市)は41人(前年度比31人増)、つがる弘前(本店・弘前市)は49人(36人増)などといずれも3倍以上増加した。[br][br] 県南地方の農協は具体的な実績が出ていないが、ゴボウやナガイモなどの収穫期を迎える今秋以降、津軽地方の農協と同じくアルバイトの採用が前年よりも増加する見通し。[br][br] 県中央会は「人材確保には求職者側の希望になるべく沿った労働条件を提示できるかが重要」という。だが、受け入れる農業者側は「仕事を覚えるためにはある程度の期間が必要だ」と譲れない部分もある。[br][br] 農作物生産・加工を手掛けるおいらせ町の柏崎青果は、5、6月にかけて休業中の女性3人をアルバイトとして採用。3人は野菜の出荷作業などを手伝った。[br][br] 柏崎進一社長は「一生懸命でとても助かった」と振り返る。ただ、仕事を覚えてもらう期間も含め、最低でも1カ月以上の勤務は必要と考える。[br][br] 常に労働者を求めているが、柏崎社長は「数日間のみとか、1日に1、2時間勤務といった作業時間や期間が短い雇用は難しい。十分な仕事をしてもらうにはある程度は働いてほしい」と打ち明ける。[br][br] 雇用促進に向け、県中央会は受け入れる農業者側に対し、▽最低賃金以上の時給▽作業場への交通費補助▽労働時間の融通を利かせる―などを呼び掛ける。各農協では、初心者向けの農作業イベントを開くなどPRに力を入れている。[br][br] 県中央会農業対策部の松澤秀治部長は「課題は多いが、人手不足の農業は一日でも早く人材が集まってほしい状況。多くの人が農業アルバイトに興味を持ってもらえるよう、さまざまな機会の提供やPRに力を入れていきたい」と人材確保の強化に努める考えを示した。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに青森県内で増加している農業アルバイト=2020年5月、おいらせ町