諏訪神社祖霊社(南部)170年ぶり建て替え/創建800年記念

約170年ぶりに建て替えられる諏訪神社祖霊社=9月下旬、南部町
約170年ぶりに建て替えられる諏訪神社祖霊社=9月下旬、南部町
南部町沖田面南本村の諏訪神社祖霊社が来年、1858年以来約170年ぶりに建て替えられる。沖田面地区周辺(旧平良崎村)は明治時代に唯一の寺がなくなったため、檀家が神道に改宗。祖霊社に先祖をまつるようになった歴史がある。住民の多くが神道で葬祭を.....
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 南部町沖田面南本村の諏訪神社祖霊社が来年、1858年以来約170年ぶりに建て替えられる。沖田面地区周辺(旧平良崎村)は明治時代に唯一の寺がなくなったため、檀家が神道に改宗。祖霊社に先祖をまつるようになった歴史がある。住民の多くが神道で葬祭を執り行う地域は全国でも珍しく、事業関係者は8日から本格的に始まる解体工事を前に「地域の伝統や思いを後世につないでいきたい」と力を込める。[br][br] 諏訪神社は三戸南部氏の初代とされる南部光行が奥州入部の際、新領開拓や武運長久の守護神として諏訪大社(長野県)から分霊。2代の実光が1221年に現在の同町玉掛諏訪ノ平にまつったと伝わる。祖霊社はもともと、諏訪ノ平の本社の祭神を拝むための施設だった。[br][br] 来年は本社創建から800年。祖霊社の建て替えは節目の記念事業の一つで、33代目の石井みほ子宮司(64)は「(祖霊社は)氏子とともに長い歴史を刻んできた場所。新たな社で伝統や思いを次の世代につなぎたい」と話す。[br][br] 9月下旬には、祖霊社に総代ら約20人が集まり、解体工事の安全祈願祭を執り行った。同神社の責任役員で、創建800年記念事業奉賛会の会長を務める西舘隆さん(80)は「先祖から受け継いだ事業を実現する時が来た。お年寄りも使いやすい社にして、より地域住民が集まる場所になれば」と願いを込める。[br][br] 工事を請け負う松本工務店(同町)の棟りょう、清水福治さん(72)は八戸市の櫛引八幡宮拝殿、蕪嶋神社本殿拝殿をはじめ、全国の寺社工事を手掛けた「現代の名工」(宮大工)。ただ、50年以上の職人歴でも祖霊社を手掛けるのは初めてといい、「なかなかない場所の建て替えをやらせてもらえて、ありがたい。地域の人に喜んでもらえるようにしたい」と意気込む。[br][br] 解体工事の後は、11月6日に地鎮祭、来年1月に上棟祭を実施。新たな祖霊社は同7月下旬に完成する予定だ。約170年ぶりに建て替えられる諏訪神社祖霊社=9月下旬、南部町